■ これがその現の証拠と咲きてあり
( これがその げんのしょうこと さきてあり )
この公園には、松、桜、梅など様々な樹木が植えられ、多様で豊かな樹林が形成されている。また、様々な野草が自生している草地も広く残されている。本日の掲句は、その草地で「現の証拠(げんのしょうこ)」の花を見て詠んだ句である。
最近、東アジア界隈では「これが証拠だ」「それは捏造だ」など喧伝されているが、それにかけて、「現の証拠」はここに咲いているよと詠んでみた。ただ、本ブログでは、政治関連は極力扱わないことにしているので、これ以上は踏み込まない。尚、「現の証拠」は夏の季語なので、本句は夏の句として残す。
ところで、この「現の証拠」、何故こんな名前になったのかというと、腹痛を起こした時に煎じて飲めば、たちどころに薬効があらわれるということから付けられたそうだ。幼い頃、何度か飲まされた記憶があり、「ゲンノショウコ」と覚えていたが、数年前に、漢字で「現の証拠」と書くことを知った時は、一瞬、嘘だろうと思った。
因みに、現の証拠に関しては、過去に以下の一句だけ詠んだことがある。
優しさの現の証拠か花一輪
ゲンノショウコ(現の証拠)は、フウロソウ科フウロソウ属の多年草。花期は7月~8月。花は五弁で、色は紅紫色または白紫色。(紅紫色は西日本、白紫色は東日本に多い。)「実」の形が、神輿の屋根の捲りあがった形の飾りにそっくりなので神輿草(みこしぐさ)とも呼ばれる。
【現の証拠の参考句】
うちかがみげんのしょうこの花を見る (高浜虚子)
殉難碑現の証拠の花は欠く (阿波野青畝)
しじみ蝶とまりてげんのしようこかな (森澄雄)
猫の子にゲンノショウコの花開く (青柳志解樹)
陶器屋にげんのしょうこの逆さ吊り (谷中隆子)
うちかがみげんのしょうこの花を見る (高浜虚子)
殉難碑現の証拠の花は欠く (阿波野青畝)
しじみ蝶とまりてげんのしようこかな (森澄雄)
猫の子にゲンノショウコの花開く (青柳志解樹)
陶器屋にげんのしょうこの逆さ吊り (谷中隆子)