■ 昼餉時フランクフルトのガマを見る
( ひるげどき ふらんくふるとの がまをみる )
最近は、少し行動範囲を広げようと京都以外の植物園や公園に出かけているが、その一環で、先日は大阪の花博記念公園鶴見緑地へ行ってきた。この公園は、1990年にあった花の万博(花博)の跡地を活用したもので結構広い。
そうこうする内に、日本庭園に行き当たり、小じんまりとした池に、蒲の穂がたくさん立っているのを見た。蒲の穂は、写真などでは何度も見ているが実際に見たのは初めてである。
それが、祭の屋台で売られているフランクフルトソーセージとそっくりだと前々から思っていたが、実物はそれよりも幾分小さい。これなら200円は取れないだろうとつまらないことも考えながら詠んだのが本日の掲句。尚、「蒲」、「蒲の穂」は夏の季語なので本句は夏の句とする。「蒲の穂絮」であれば秋の季語。
蒲は、ガマ科ガマ属の多年草。6月~8月頃、茎を伸ばし、円柱形の茶色の穂をつける。これを蒲の穂と呼ぶが、穂の下部は、雌花の集まりで赤褐色で太く、既述の通りフランクフルトソーセージに似た形状である。穂の上部は雄花の集まりで細く、開花時には黄色い葯が一面に出る。
風媒花で、雄花も雌花も花びらなどはない。雌花は、結実後、綿クズのような冠毛を持つ微小な果実になる。この果実は風によって飛散し、水面に落ちると速やかに種子が実から放出されて水底に沈み、そこで発芽するそうだ。
名前の由来は、この植物から蓆(むしろ)等を作るので 「クミ(組)」と呼ばれ、次第に「かま」になり「がま」となったとする説や、朝鮮語の 「カム(材料)」 から来た説等が有るが、真偽の程は不明である。別名に「御簾草(みすくさ)」などがある。
【蒲の参考句】
雨の輪も古きけしきや蒲の池 (高浜虚子)
蒲の穂やはだしのままに子の育つ (池内たけし)
蒲の穂の並ぶ沼経て筑波山 (沢木欣一)
蒲咲いて篠つくあめの中が見ゆ (斎藤美規)
野の川のゆるき流れや蒲の花 (廣瀬雅男)
雨の輪も古きけしきや蒲の池 (高浜虚子)
蒲の穂やはだしのままに子の育つ (池内たけし)
蒲の穂の並ぶ沼経て筑波山 (沢木欣一)
蒲咲いて篠つくあめの中が見ゆ (斎藤美規)
野の川のゆるき流れや蒲の花 (廣瀬雅男)