■ 番まつり瑠璃まつりとは賑々し
( ばんまつり るりまつりとは にぎにぎし )
先日ある公園にでかけた時に、番茉莉(ばんまつり)の花を見た。この花、5月頃に家の近くで見た花だが、まだ咲いているのかと思いながら歩いて行くと、今度は瑠璃茉莉(るりまつり)の花が咲いていた。
(写真①:番茉莉)
まつり、まつりと賑やかだなと思いながら、ここで一句とばかり詠んだのか本日の掲句である。番茉莉も瑠璃茉莉も、何故か季語になっていないようだが、ここでは夏の季語に準じて使用した。
ところで、何故この花に茉莉(まつり)という名前が付いたのか調べてみると、和名で茉莉花(まつりか)というジャスミンの花があり、これに似ていることから付けられたそうだ。
それでは、茉莉花の茉莉とは何かというと、ジャスミンが、原産地のインドのベンガル語で「Mali」と呼ばれ、その当て字が中国語の「茉莉」。それが日本で「まつり」と読まれるようになったのではないかと考えられる。
ただ、面白いのは、以下に述べる通り、上記の植物の属する科が全て違うことである。だから、同じ名前がついていても同類と混同しないようにする必要がある。もっとも、そういうケースは他の植物でも時々見られるので注意したい。
●番茉莉(ばんまつり)
ナス科バンマツリ属の常緑低木。南アメリカ原産。明治末期に渡来。花の色は最初は紫だが、2~3日後には減色して白くなる。花期は5月~8月。品種では、匂番茉莉(においばんまつり)が人気で、ジャスミンのような香りがする。尚、名前の「番」は、外国のことを表すとのこと。(写真①)
ナス科バンマツリ属の常緑低木。南アメリカ原産。明治末期に渡来。花の色は最初は紫だが、2~3日後には減色して白くなる。花期は5月~8月。品種では、匂番茉莉(においばんまつり)が人気で、ジャスミンのような香りがする。尚、名前の「番」は、外国のことを表すとのこと。(写真①)
●瑠璃茉莉(るりまつり)
イソマツ科ルリマツリ(プルンパゴ)属の半蔓性常緑小低木。南アフリカ原産。花期は5月~10月と長い。花は、水色のくっきりした高坏型の五弁花。白花もある。花名の瑠璃は、花の色から。別名、プルンパゴ。(写真②、③)
(写真②:瑠璃茉莉)
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●茉莉花(まつりか)
モクセイ科ジャスミン(ソケイ)属の常緑半蔓性灌木。「ジャスミン」と呼ばれる植物の一種。インド、東南アジア地方原産。花期は3月~6月。白色または黄色の花を咲かせる。いくつかの種の花は強い芳香を持ち、香水やジャスミン茶の原料として使用される。別名「アラビア・ジャスミン」。(写真なし)
モクセイ科ジャスミン(ソケイ)属の常緑半蔓性灌木。「ジャスミン」と呼ばれる植物の一種。インド、東南アジア地方原産。花期は3月~6月。白色または黄色の花を咲かせる。いくつかの種の花は強い芳香を持ち、香水やジャスミン茶の原料として使用される。別名「アラビア・ジャスミン」。(写真なし)
番茉莉、瑠璃茉莉は季語になっていないせいもあり、詠まれた句は少なく、参考句は割愛する。
(写真③:瑠璃茉莉)