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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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■下呂 三句

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■ 下呂 三句

      ○ ころころとバック片手に夏の下呂
                 ( ころころと ばっくかたてに なつのげろ )
      ○ 下呂の町下駄を鳴らして夕涼み
                 ( げろのまち げたをならして ゆうすずみ )
      ○ 山間の涼気さしこむ下呂の朝
                 ( やまあいの りょうきさしこむ げろのあさ )
 
イメージ 1昨日は高山市内の散策の記事を書いたが、その日は、昼が過ぎた頃に鍛冶橋の近くの店で飛騨牛重を食べた。せっかくだからと奮発して注文したのは上(1200円)。味の方はまあまあだった。

それから高山駅へ行き、特急ひだで下呂に向かった。所要時間は凡そ50分、2時過ぎに駅についた。例により観光案内所で散策マップを貰い、宿泊予定の旅館の場所を確認。

徒歩で10分ぐらいの所だと分かり、キャリーバックを転がしながらぶらぶらと歩いた。朝の雨はすっかり止んで、暑い陽射しが容赦なく照りつける。掲句の第一句は、その時の様子を詠んだものである。季語は「夏」。
 
旅館には、チェックインの3時より早く着いたが、頼んで部屋に入れてもらった。女将さんに近くで散策できるところはないか聞いたところ、「合掌村」があると聞き、まずはそこに行くことにした。(この合掌村に関しては、下呂温泉のイメージと少し違うので、後掲の付録で紹介する。)
 
ころころとバック片手に夏の下呂イメージ 2
 
合掌村から旅館に帰ってきたのは5時過ぎ。夕食まで少し時間があったので、まずは温泉に入って汗を流す。この下呂の温泉は、有馬、草津と並び日本三名泉の一つにもなっており、少しぬるぬるした感じだが気持ちが良かった。

その後は、夕食をとり、旅館の浴衣と下駄で町の散歩に出かけた。下駄を履くのは本当に久しぶりのことで、何度かこけそうになったが次第に慣れてきて、あのカランコロンという音も出せるようになった。

掲句の第二句は、その時の様子を詠んだもの。中七の「下駄を鳴らして」という言葉は、同世代の人なら知っていると思うが、かまやつひろしさんが歌った「我が良き友よ」からの借用。季語は「夕涼み」で季は夏。
 
下呂の町下駄を鳴らして夕涼み
イメージ 3
 
夕涼みの後は旅館の部屋に戻って少しくつろぎ、その後再び温泉に入ってから寝た。翌日の朝は、6時過ぎに起きて洗面代わりに温泉に浸かった。このように、大体温泉に行けば3度は入泉する。

入泉の後、朝食まで時間があったので、近くの温泉寺まで散歩に出かけた。その時感じたのが、ひんやりとした涼しさである。それが少し寒いくらいで、ここは山地なんだということに改めて気づかされた。掲句の第三句は、その様子を詠んだ句で、「涼気」が夏の季語。
 
山間の涼気さしこむ下呂の朝
イメージ 4
 
朝の散歩を終えて旅館に帰り、朝食をとってチェックアウト。近くの「温泉博物館」を見た後、下呂駅に向かった。この日は、岐阜に立ち寄ってから京都に帰る予定。岐阜で詠んだ句と記事については明日のブログに掲載したい。
 
 
【付録:下呂温泉合掌村
下呂温泉合掌村は、白川郷、五箇山などから移築した合掌造りの民家で集落を再現した空間(博物館)。白川郷には何度か行っているので、合掌造りはそれほど珍しくなかったが、こういう環境に触れることは、やはり心の癒しになる。

ゆっくりと「村」を散策し、ここで一番高いところにある展望休憩所に向かったが、その途中で夏萩が咲いているのを見つけた。それをを詠んだのが以下の句。

           合掌の村は日暮れて夏の萩

イメージ 5
 
敷地内には、江戸時代初期の遊行僧円空が彫ったという仏像を展示した「円空館」があり、それを暫く観覧して、帰ろうと出口に向かった。時刻は5時少し前で、日暮れには少し早かったが、「村」に残っている人はほとんどいなかった。
 

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