■ 岐阜城 二句
○ 岐阜城や天下眺むる雲の峰
( ぎふじょうや てんかながむる くものみね )
○ 国盗りに馳せる山城夏の夢
○ 国盗りに馳せる山城夏の夢
( くにとりに はせるやましろ なつのゆめ )
昨日は下呂の記事を書いたが、この日朝は、下呂駅10時26分発の特急ひだに乗り岐阜へ行った。駅には11時39分に到着。今回も最初に寄ったのは観光案内所で、当地の見どころを聞いた。
頂上まではロープウェーが設置してあり、それに乗って頂上駅で降りる。そこから10分ほど坂道を歩き、目指す岐阜城に着いたが、思っていたよりもかなり小さい。入り口の説明書きを読むと、この城は、関ヶ原の戦いの後に廃城になっていて、1910年に木造の模擬城が建てられたが焼失。1956年に現在の天守閣が再建されたそうだ。
内部を見ると、鎧兜などの武具や肖像画など様々な歴史的資料が展示されていたが、当時の城の様子を示すものはなかった。ただ、天守閣から見る景色は素晴らしく、暫くは、そこに佇み四方を見下した。
本日の掲句の第一句は、その絶景を眺めながら詠んだ句である。今は、ビルや家が建ち並んでいるが、恐らくこの城が栄えた戦国時代は、こんな風景ではなかっただろう。多分森林や原野が果てしなく広がっていたことだろう。本句では「雲の峰」が夏の季語。
岐阜城や天下眺むる雲の峰
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第二句は、この城が築かれてから、廃城に至るまで城主が様々に変ってきた歴史を知り詠んだ句である。この城の始まりは1201年だが、16世紀中頃、斎藤道三が居城とし、後に織田信長が攻略して天下統一の本拠地とする。その後もいろいろな変遷を経て、徳川家康の命により廃城となる。季語は「夏」。
岐阜城を見た後は、ロープウェーで下山し、鵜飼で有名な長良川の河原を見て、岐阜公園を後にした。そして岐阜駅5時43分発の特急ひだに乗り京都へ帰った。二泊三日の気ままな小旅行だったが結構楽しめた。
尚、来週からは、以前のように近辺の花などを詠んだ句と関連記事を掲載するブログに戻る。引き続きのご愛顧をお願いしたい。
【付録:リス村】
ロープウェーの山頂駅近くには、「リス村」という施設があり、面白そうなので入場した。中には、小さなタイワンリスが数十頭放し飼いになっていて、革手袋をはめて直接餌をやることができる。仕草が非常に可愛らしいせいか、子供連れも多かった。
何故こんな所にリスを飼う施設があるのか。後で調べると、1936年(昭和11年)に岐阜公園で行われた「躍進日本大博覧会」の会場から逃げ出したリスが野生化。そのリスを捕まえ、調教してこのリス村にすまわせるようにしたとのこと。