■ ピカピカに何を磨かんブラシの木
( ぴかぴかに なにをみがかん ぶらしのき )
「ブラシの木」の花を見たのは数年前のことである。場所は植物園。長さ10cm、直径5cmくらいのブラシ状の真っ赤な花が木全体に咲いていた。世の中には面白い花木もあるものだと思った。
本日の掲句は、そんなブラシの木の花を見て詠んだ句である。こんなに沢山のブラシで、さて何をピカピカに磨こうかと考えたが、思い当たらない。多分、今磨かなければならないのは、外面よりも内面=心なのだろう。尚、「ブラシの木」は、季語として認めているところもあれば、そうでないところもあるようだが、掲句では夏の季語に準じて使用した。
ブラシの木は、フトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木。オーストラリア原産で、明治中期に観賞用として渡来。花期は5~6月頃。花弁は緑で小さく目立たないが、赤の長い花糸がブラシの毛のように密集する。白色のものもある。
また、この木の実は、枝にずらっと並ぶ。翌年の花は、花の先から出てきた枝の上部に咲き、実をつけた後、更にその先から枝を伸ばし花をつける。このことを何度か繰り返すので、枝には何年かの実が固まってついているとのこと。この実は、山火事などに会うまでは種子を出さないそうだ。
別名に、花槙(はなまき)、金宝樹(きんぽうじゅ)、カリステモン(学名)、ボトルブラッシュなどがある。
尚、ブラシの木を詠んだ句は、まだほとんどないようなので、参考句は割愛する。