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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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河骨や名は武骨でも見目は良し

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■ 河骨や名は武骨でも見目は良し
                            ( こうほねや なはぶこつでも みめはよし )
 
昨日のブログ記事では、平安神宮神苑の池に咲いている睡蓮の花を紹介したが、その同じ池の片隅には、イメージ 3河骨(こうほね)が、さと芋の葉のような大きな葉の間から太く長い茎を出し、その先に黄色い花を咲かせていた。

実は、この花の名前を知ったのは数年前のことで、最初聞いた時は、それが花の名かと疑った。花の名前に骨が付くなんて信じられない。花を見れば、非常に可憐な感じがするのに。

そんな違和感を感じつつも、特に句を詠むこともなく暫く放置していたのだが、今年再びその花を見て、名前の由来を調べてみた。どうやら、池や川の泥に埋もれている根茎が、白く、ゴツゴツした動物の骨のように見えるので、この名になったようだ。

本日の掲句は、そんな河骨の名に掛けて詠んだ句である。中七の「武骨」とは、もともと骨ばってごつごつしていることを言ったが、転用されて洗練されていないこと、無作法なことをいうようになった。また、下五の「見目」とは、顔立ち、容貌、 見た感じのこと。尚、河骨は「かわほね」とも読み、夏の季語になっている。

余談だが、最近テレビなどで、非常に変わった名字を見ることがある。「剛力彩芽(ごうりきあやめ」という女優の名前(本名)などは、最初聞いた時、正直女子プロレスラーの名前かなと思った。実物は、見目麗しき女性。今日の掲句に多少とも重なる部分がある。

イメージ 1
 
河骨は、スイレン科コウホネ属の水生多年草。原産地は日本、朝鮮半島。水のきれいな沼、池、川などの浅い所に自生する。花期は、5~8月頃。花のように見えるのは萼片で、内部に多数の花弁と蕊がある。
 
     【河骨の参考句】
      河骨の終にひらかぬ花盛り       (山口素堂)
      河骨の二もとさくや雨の中        (与謝蕪村)
      河骨の高き莟を上げにけり       (富安風生)
      河骨を見てゐる顔がうつりけり     (山口青邨)
      河骨の金鈴ふるふ流れかな       (川端茅舎)
 
イメージ 2

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