■ 円き葉に浮かぶ紅蓮の睡蓮花
(まるきはに うかぶ ぐれんの すいれんか)
先週の土曜日、久しぶりに平安神宮の神苑に行ってきた。杜若(かきつばた)がややピークを過ぎて、池には睡蓮(すいれん)や河骨(こうぼね)が咲いていた。花菖蒲の方は、まだ先のようで花は全くみられなかった。
因みに睡蓮に関しては過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 泥水に清らに咲けり睡蓮花
② わが影も浮かべて咲けり睡蓮花
①は、泥水の濁りの中にさく清らかな睡蓮を称えて詠んだもの。②は、自分の影を水に映して咲いている様子を詠んだ。
ところで、スイレンというのは、水に浮かんで咲くので「水蓮」と書くものと長年思っていた。「水」でなく「睡」と書くのは、この花が午後4時ぐらいになると花を閉じるためで、そのことを「睡る」ことに見たて「睡る蓮(ねむるはす)」=「睡蓮」となったそうだ。
別名に未草(ひつじぐさ)があるが、これは、日本に古くから自生する小ぶりの白い花を咲かせる睡蓮のことで、未(ひつじ)の刻(午後2時頃)に花を咲かせることからその名がついたとのこと。
それ以外の睡蓮には、赤、黄、紫など様々のものがあるが、それらは、ほとんど鑑賞用の外来種で、日の出の頃から花が開いているものが多い。
睡蓮は、スイレン科スイレン属の多年生水草で原産地は熱帯、温帯地域。池・沼などに生える。花期は6月~8月。
【睡蓮の参考句】
睡蓮のすき間の水に雨の文 (富安風生)
*文(あや):水面に広がる波紋のこと。
睡蓮のすき間の水に雨の文 (富安風生)
*文(あや):水面に広がる波紋のこと。
睡蓮の敷き重なりし広葉かな (星野立子)
睡蓮や鯉の分けゆく花二つ (松本たかし)
ナイル河の金の睡蓮ひらきけり (石原八束)
睡蓮の花までの距離思ひをり (桶笠文)
ナイル河の金の睡蓮ひらきけり (石原八束)
睡蓮の花までの距離思ひをり (桶笠文)