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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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舞妓らのうなじ艶めく半化粧

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■ 舞妓らのうなじ艶めく半化粧
    ( まいこらの うなじつやめく はんけしょう )


一昨日の7月2日は、「半夏生(はんげしょう)」に当たる日だった。


イメージ 1とは言っても、あまり聞きなれない言葉であり、知らな人も多いのではないだろうか。かく言う自分も、この言葉の意味を知ったのは数年前のことである。

「半夏生」の意味については、本ブログでも何度か記事にしたことがあるが、なかなか覚えられないので再度掲載したい。

まず、「半夏生」とは、二十四節気(にじゅうしせっき)をさらに約5日ずつの3つに分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」の一つで、半夏(はんげ)=烏柄杓(からすびしゃく)という薬草が生える頃の意。

夏至(げし)から数えて11日目の暦日で、今年は7月2日がその日にあたる。また、元日から183日目で、この日が丁度1年の半分に当たり、「一年の臍(へそ)」ともいうそうだ。

イメージ 2





















この日は、農家にとって大事な節目の日で、この日までに農作業を終え、この日から5日間は休みとする地方もあるそうだ。

また、この日は天から毒気が降るとも言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、この日に採った野菜は食べてはいけないという言い伝えもあるとのこと。

イメージ 3ところで、写真に掲載した植物は、丁度この頃に咲く花だということで「半夏生」と名付けられた。

*ちょっとややこしいので少し整理すると、「半夏=烏柄杓」という薬草が咲く時期なので、七十二候の一つ「半夏生」という候が定められ、この頃に咲く花なので、今回取り上げた植物が「半夏生」と名付けられた。すなわち、「半夏生」という花が咲くから「半夏生」という候ができたわけではない。

イメージ 4尚、花は穂状になっているもので、その近辺の白い部分は葉っぱが変色したもの。花そのものがあまり目立たないので、虫を誘うために一時的に葉を白くしていると言われている。面白いことに花期が終わると葉の色は元の緑色になる。

前書きがかなり長くなったが、本日の掲句は、花の一部が白くなっているところが、何となく舞妓さんの項(うなじ)に似ていると思って詠んだ句である。

イメージ 8実は、京都では節分祭、観月祭などの伝統行事で舞妓さんを見る機会が時々あるが、ある時、舞妓さんの項(襟足)の化粧の部分が白く塗られていないのに気が付いた。

何でだろうとずっと思っていたが、この度改めて調べて見ると、首筋を長く美しく見せるためだそうだ。また、地肌を見せるのは手以外ではここだけであり、セクシーさをアピールする意味もあるとのこと。

 ←舞妓さんの項 (ネットより一時拝借)



尚、「半夏生」は「半化粧」「片白草(かたしろぐさ)」とも言い、夏の季語になっている。時節を表す「半夏生」も夏の季語なのでちょっとややこしい。

イメージ 5因みに、「半夏生」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① 半夏生何を思うて半化粧
    ② 小夜更けて灯りに浮かぶ半夏生
    ③ 白塗りで誰を呼ぶらん半夏生

①は、部分的に葉が白くなるので「半夏生」を別名で「半化粧」ということを知り詠んだ。
②は、夜が更けて外灯に照らされている半夏生をイメージして詠んだ。
③は、やはり舞妓さんをイメージして詠んだ句で、本日の掲句の元になった。

イメージ 6半夏生は、ドクダミ科ハンゲショウ属の多年草。花は、地味な穂状の白い花で、花期は6月から8月だが、この時期、上部の葉の表面が白く変色する。

「半夏生」を詠んだ句は結構あるが、記事が長くなったので、参考句の掲載は割愛する。

イメージ 7




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