■ 大とりは多種で多彩な花菖蒲
( おおとりは たしゅでたさいな はなしょうぶ )
そんなおり、「花菖蒲(はなしょうぶ)」が、方々の菖蒲園で見ごろになってきている。
本日の掲句は、その様子を見ながら、「やはりアヤメ科の大とりは多種多彩な花菖蒲だな」と詠んだもの。「花菖蒲」は夏の季語。
《大とりとは》
「とり」は、もともと寄席の演芸会などで最後に出演する人のことで、ギャラはこの人が全て受け取り、芸人達に分け与えたことから付けられた。「大とり」は、紅白歌合戦などで使われ、紅組、白組の「とり」でも最後を飾るという意味で使われた
花菖蒲は、アヤメ科アヤメ属の多年草で、日本自生のノハナショウブの園芸種である。花期は6月上旬~下旬。花の色は、白、ピンク、紫、青、黄など多彩で、絞りや覆輪などとの組み合わせを含めると約5000種類あるといわれている。
観賞用に品種改良されたものだけあって、花も大きめで、色も柄もなかなか艶(あで)やかである。花期は6月上旬~下旬。外花被片に黄色の筋模様がある。
以下では、アヤメ科の花の総ざらいとして、「花菖蒲」以外の花について詠んだ句と写真、花の特徴など掲載したい。
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【一初(いちはつ)】
○ 一初のその髭もじゃが面白き
乾地に咲き、外花被片に白(淡黄)い髭状の襞ができる。花期は4月下旬~5月中旬。花色は青紫色。(稀に白あり。)名前は、アヤメの仲間の中で一番早く花をつけることから。
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【文目(あやめ)】
○ 綾目にて文目を知りし路地の裏
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【杜若(かきつばた)】
○ 古池を照らす光や杜若
○ 泥池に禊の白の杜若
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【黄菖蒲(きしょうぶ)】
○ 黄菖蒲の黄も生き生きと川の原
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【ジャーマンアヤメ】
○ ジャーマンも来てややこしきアヤメかな
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