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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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妖しげな花の正体蛇イチゴ 

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■ 妖しげな花の正体蛇イチゴ 
          ( あやしげな はなのしょうたい へびいちご )


イメージ 1いきなりだが、右の写真の花、何の花か分かるだろうか。

正解は「蛇苺(へびいちご)」の花。

その果実については、直ぐに思い浮かべる人も多いと思うが、花については、見たことがないという人も多いのではないだろうか。

かくいう自分も、果実については幼い時から知っていたが、花については、恥ずかしながら、つい先日漸く植物園で確認できた。

4月末頃に行った時には、黄色い花が沢山咲いていた場所に、「蛇苺」の赤い実が所々に生っていたからである。










イメージ 2

本日の掲句は、その時のちょっとした発見?を詠んだ句である。下五は、漢字の羅列を嫌い「蛇イチゴ」とした。「蛇イチゴ」「蛇苺」は夏の季語。

イメージ 3因みに、「蛇苺」に関しては、かつて以下の一句のみ詠んでいる。

  空地には血の斑点が蛇いちご

ある草の生えた空地に赤い斑点が見えたので、何だろうと思い確認したところ「蛇苺」。周辺の状況からみて、事件性はなさそうだった。

イメージ 4「蛇苺」は、バラ科キジムシロ属に分類される多年草の1種。原産地は、日本、アジア南東部など。畦道や野原などの湿った草地に自生し、日本全土に広く分布する。

花期は4月~6月。葉のわきから顔を出すように黄色い花を付ける。花は直径1.5cmほどで五弁。*通常の「苺」や「野苺」の花色は白色が多い。

イメージ 55月頃から花托が肥大し、球形の偽果(ぎか)になる。偽果の表面には多数の痩果(表面のつぶつぶ)が付く。 
*偽果:果実の分類の一つで、子房以外の部分が生長して果実の主要部分となるものの総称。

果実には、毒は含まれないので食用可能だが、味がほとんど無いため食用(特に生食)には好まれない。

名前は、果実が食用にならず蛇が食べそうな苺、蛇がいそうな所に生育する苺という意味で付けられたといわれている。「くちなわいちご」ともいう。

イメージ 6「蛇苺」を詠んだ句は結構ある。以下にはネットで見つけた句をいくつか参考まで掲載する。

  【蛇苺の参考句】
   ふるさとの沼のにほひや蛇苺  (水原秋桜子)
   蛇苺音のなき雨降りゐたり   (加藤楸邨)
   流水に真紅うつらず蛇苺     (山口誓子)
   蛇苺遠く旅ゆくもののあり    (富沢赤黄男)
   雨のせて川の明るさ蛇苺     (岡本眸)

イメージ 7

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