■ 詰草の赤白小米の勢ぞろい
( つめくさの あかしろこごめの せいぞろい )
現在、鴨川などの河川敷へ行けば、よく目にするのが「白詰草(しろつめくさ)」と「赤詰草(あかつめくさ)」である。さらに、あまり名が知られていない「小米詰草(こごめつめくさ)」も負けず劣らす繁茂している。
本日の掲句は、そんな様子を詠んだ句である。季語は「赤詰草」「白詰草」だが、いずれも春の季語。
【白詰草】
白詰草の褥に寝れば雲一朶
*褥(しとね):座る時や寝る時に下に敷く物。 *一朶(いちだ):ひとかたまり。
白詰草は、マメ科シャジクソウ属の多年草で原産地はヨーロッパ。日本には明治時代以降、家畜の飼料用として導入されたものが野生化した。
花期は4月~8月。花は白色で、葉の柄よりやや長い花茎の先につく。
詰草の名称はオランダ船の荷物(ガラス製品)の詰め物(緩衝材)として使われたことに由来する。
かつて、俳句では「苜蓿の花(うまごやしのはな)」と詠まれていたようだが、あまり好まないので使ったことはない。
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赤白の詰草いきれ梅雨晴間
*中七の「詰草生きれ」は、「詰草」と「草いきれ」を合成し短縮した私的造語。「草いきれ」とは、「夏草の茂みから発生するむっとする熱気」のことで夏の季語。
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細やかに空地彩る小米詰草
小米詰草は、マメ科シャジクソウ属の1年草。ヨーロッパ、西アジアが原産地。日本には明治末期に渡来。
非常に繁殖力が強く、空地などがあれば、それを覆うように増殖していく。花が小さいのでしっかり見ないと分からないが、いつの間にか一面が黄色に彩られる。