■ 石楠花も著莪もほぼほぼ終わりけり
( しゃくなげも しゃがも ほぼほぼ おわりけり )
京都の植物園では、正門から入って直ぐの所に、様々な「石楠花(しゃくなげ)」が植えてあるエリアがある。この花は、4月半ばから咲いていたが、夏の季語に分類されているので投稿を遅らせていた。しかし、先週の土曜日に行った時は、そのほとんど散っていた。
*4月下旬に撮影
また、花の下で咲いていた「著莪(しゃが)」のは花も、僅かに咲いていた形跡を残しているだけで、大半は終わっていた。実は、この花も夏の季語に分類さている。本日の掲句は、何とも残念な気持ちを織り交ぜて詠んだ句である。
せっかくなので、以下には4月の下旬頃に撮った写真と過去に詠んだ句を掲載したい。
山盛りに石楠花咲くや疎水べり
古池の石楠花赤き小寺かな
石楠花(石南花とも書く)は、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑広葉樹。原産地はネパールのヒマラヤなどで、日本に自生するものは、かなり高い山や渓谷に咲く。
現在は、西洋石楠花が園芸品種に改良され、庭園や庭にも植えられている。
花期は、品種により違うが、4月頃~6月頃。花は、派手で大きく、花色は、白、ピンク、赤、赤紫、黄色など。
名前は、漢名の「石南花」を 「しゃくなんげ」と読み、その後少しずつ変化して「しゃくなげ」となったという説が有力。また漢名の「石南花」は「石の間に生え、南向きの土地で育ちやすいこと」に由来するとのこと。
【
花もようエキゾチックに春のシャガ
布きれで造りし花か著莪の花
著莪(射干とも書く)は、アヤメ科アヤメ属の常緑多年草。原産地は中国で、かなり古くに日本に渡来したとのこと。
花期は3月末~5月初め。六弁の花のように見えるが、模様のある3枚は外花被(萼)、内側の先端が二つにくびれたものは内花被(花冠)。先端がひげ状になっているのが雌蕊。雄蕊は雌蕊の裏側に隠れている。
「シャガ」の名前は、ヒオウギの漢名「射干」を音読みしたもので、ヒオウギをシャガと見誤って、シャガに「射干」を当てるようになったとのこと。「著莪」は当て字。