■ うぐいすの声高らかに躑躅寺
( うぐいすの こえたからかに つつじでら )
さて、先週の土曜日は、「躑躅(つつじ)」が満開だと聞き、宇治市にある「三室戸寺(みむろとじ)」に行ってきた。
自宅から市バス、京阪電車を乗り継ぎ約1時間半ほどで行ける寺だが、これまで行ったことがなく今回が初めて。
参道を少し歩くと赤い山門が見え、その右手の方に目をやると、小高い山の斜面を覆うように数多くの躑躅の花が咲いているのが見えてきた。
躑躅の花は近辺でも沢山見ているので、花そのものは、それほど珍しくもないが、これだけ沢山の躑躅の花を見るとやはり感動する。
そんな思いを持ちながら、庭園内を暫く歩くと山の上方から、思いがけなく鶯の甲高い声が聞こえてきた。今年はあまり聞いていなかったので何となく心も弾んだ。
本日の掲句は、そんな情景を詠んだ句である。本句では「うぐいす」が春の季語だが、下五でも春の季語「躑躅」を使い、敢えて季重なりとした。
【関連句】
① 蝶々が躑躅の上をてふてふと
② 木漏れ日の躑躅躑躅の石の坂
③ 大学に続く躑躅の街路かな
②は、ある神社の参道石坂の両側に見事に躑躅が咲いているのを見て詠んだ句。
③は、ある大学に続く街路に色とりどりの躑躅が果てもなく咲いていたのを見て詠んだ句。
【躑躅の参考句】
瀧に景は尽きたれど躑躅奥ありて (河東碧梧桐)
躑躅わけ親仔の馬が牧に来る (水原秋櫻子)
自動車の銀のひかりが躑躅ごし (京極杞陽)
二の丸をいま攻めのぼる火の躑躅 (伊藤孝一)
躑躅濃しひとかたまりの女子高生 (佐野左右也)
自動車の銀のひかりが躑躅ごし (京極杞陽)
二の丸をいま攻めのぼる火の躑躅 (伊藤孝一)
躑躅濃しひとかたまりの女子高生 (佐野左右也)