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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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ゆずり葉の花に若葉や令和立つ

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■ ゆずり葉の花に若葉や令和立つ
         ( ゆずりはの はなにわかばや れいわたつ )


イメージ 1今日から、いよいよ「令和」の時代に入る。

昨日夕方には、前天皇の「退位礼正殿の儀」が行われ、本日0時に新天皇が即位、朝方に、「剣璽等承継の儀」「即位後朝見の儀」があり、天皇のご譲位が大過なく行われた。

その一部始終をYouTubeで拝見したが、思っていたよりも簡素に行われたことに驚いた。

ただ、新天皇即位の正式なお祝いは、10月22日に行われる「即位礼正殿の儀」でなされるようで、この時は、195カ国からの祝賀使節をはじめ、内外の代表約2500人が参列されるそうだ。











*4月中頃:花が咲き新しい葉が上方に生えてくる。
イメージ 2さて、本日はその天皇ご譲位との関連で「ゆずり葉」を取り上げたい。「ゆずり葉」は、新しい葉が生えた後に古い葉を落とすことから名づけられ、恙無く代を譲ることができる祝木として、新年の飾りなどによく使われる。それでは、実際にどういう風に葉が代替わりするのか。

*4月中頃:花が咲き新しい葉が上方に生えてくる。
イメージ 3




実は、その代替わりは丁度今頃に起こるまず、4月の中頃に真っ赤な粒上の花が枝先に咲く。そして、その花の上方に黄緑色の新しい葉が生えてくる。

一方、その下方には、古い葉が黄色く変色して垂れ下がり、花が散る頃には地面に落ちる。(後で調べたところによれば、暫くは二世代同居で、秋に完全に落葉するとのこと。)

*4月中頃:花が咲き新しい葉が上方に生えてくる。
イメージ 4本日の掲句は、その様子を改めて見て詠んだ句だが、「ゆずり葉」の代替わりが、ある部分、今回のご譲位に重なって見える。下五の「令和立つ」は「令和の時代が始まる」の意で作った造語。「年立つ」「春立つ」などの「立つ」が「始まる」「~になる」を意味するので、それに倣った。

尚、「ゆずり葉」は、漢字で「楪」と書き新年の季語になっているので、本句では中七に「若葉」という夏の季語を入れた。

*4月終わり:花は散り古い葉が垂れる。
イメージ 5因みに、「ゆずり葉」に関しては、数年前に以下の句を詠んでいる。

  春たけて今ゆずり葉は代替わり

これは、ゆずり葉の代替わりを初めて見た時に詠んだ句。「春闌ける(はるたける)」は「春深し」と同義で春の盛り、晩春を示す。

*4月終わり:花は散り古い葉が落ち始める。
イメージ 6ゆずり葉(譲葉、楪)は、ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。原産地は日本、韓国、中国。日本では、北海道、東北北部をのぞく日本各地に自生するほか、庭木などとして植えられる。まばらに枝別れしてして高さは4m~10mくらいになるとのこと。

雌雄異株で4月~6月頃、前年枝に花弁も萼片もない小さな褐色の花(雄花)をつける。雌花は薄緑色。果実は秋に暗青色に熟す。別名に親子草がある。尚、本記事に掲載した写真は全て雄花。雌花は確認できていない。

*4月終わり:花は散り古い葉が落ちる。
イメージ 7参考句は、「ゆず(づ)り葉」「楪」で詠まれた句をいくつか掲載した。但し、これらは、新年の季語として詠まれたもの。(過去に掲載したものは除く。)

 【ゆず(づ)り葉、楪の参考句】
  ゆづり葉にのせて大和の焼肴  (大島民郎)
  楪を箸置きにして祝ひ膳     (中村苑子)
  楪の何に別るる月日かな     (山田みづえ)
  楪の紅ほのぼのと三世代    (奥村直女)
  楪のちぎれちぎれて核家族   (小川一路)

*5月初め:古い葉は落ちて新しい葉が広がってくる。
イメージ 8

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