■ チューリップ赤に拘る茶店あり
( ちゅーりっぷ あかにこだわる ちゃみせあり )
それはさておき、今日は春の代表的な花の一つである「チューリップ」を取り上げたい。
この花は、花壇に欠かせない花だが、今は様々な種類のものがあり、これが「チューリップ」かと思われるものも多数出回っている。
そんな中、先日ある茶店(甘味処)の前庭に、昔ながらの赤いチューリップが沢山植えられているのを見た。
改めて「チューリップ」は、シンプルな赤が良いと思った。
本日の掲句は、そんな思いをもって詠んだ句である。この店の方も、きっと赤いチューリップに相当拘りがあるのだろう。「チューリップ」は春の季語。
*写真は10日ほど前に撮ったもので、現在は全てのものが散ってしまった。
【関連句】
① チューリップ並んで咲けば懐かしき
② 初恋の甘き思い出チューリップ
③ 咲き並びマスゲームのごとチューリップ
②は、花名の響きからの連想句。分解すると「チュー」と「リップ(唇)」になり、キスの隠語にもなっているとか。
③は、植物園の花壇に、いろんな色の「チューリップ」が整然と並べて植えられているのを見て詠んだ句。
生産地ではオランダが非常に有名。日本では、富山県や新潟県で大規模な栽培が行われており、両県を合わせた球根生産での国内シェアは98%(富山県53%、新潟県45%)だとのこと。
尚、「チューリップ」という名前は、トルコ語で頭巾(ターバン)を意味する「tulipn(tulbend)に由来するとのこと。
【チューリップの参考句】
鉛筆で書く音静チューリップ (星野立子)
花茎をたてて風待つチューリップ (上村占魚)
遠国よ地に大輪のチューリップ (対馬康子)
ひと言でひとを笑はすチューリップ (辻田克巳)
空に向き雨受けてをりチューリップ (高木晴子)