■ 街道を行けば色濃き花海棠
( かいどうを ゆけばいろこき はなかいどう )
( かいどうを ゆけばいろこき はなかいどう )
さて、先日は、たまたま鴨川沿いの遊歩道を散策していると、満開になっている「花海棠(はなかいどう)」に遭遇した。
遭遇したなんて少し大げさかも知れないが、これまで同じ時期に何度も通っている道なのに全く気付かなかった。
改めて見ると、花の深紅色が実に鮮やかで、近くに咲いている桜と比べるて真に艶やかな感じがした。
尚、「花海棠」は春の季語。単に「海棠」ということも多い。
花期は4月~5月。花色は紅色で花弁は5~10枚。花径は3cm~5cm。花柄は3~6cmと長く数個ずつ下垂する。
和名の由来は、中国名の「海棠」をそのまま読んだもの。実の大きな「実海棠(みかいどう)」に対して「花海棠」と名づけられた。
尚、玄宗皇帝が「海棠の睡り未だ足らざるのみ」と、ほろ酔いの楊貴妃を「海棠」に例えた、という故事があり、中国では昔から「海棠」を美人の例えに使うとのこと。
【海棠の参考句】
海棠の花より花へ雨の鵯 (阿波野青畝)
海棠のよき窓あけて人住めり (及川貞)
海棠に乙女の朝の素顔立つ (赤尾兜子)
海棠の盛りの支ふ曇かな (宮津昭彦)
海棠の雨に愁眉をひらきたる (行方克巳)