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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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街道を行けば色濃き花海棠

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■ 街道を行けば色濃き花海棠 
                     ( かいどうを ゆけばいろこき はなかいどう )

イメージ 1近辺の桜(染井吉野など)は、ついに散り始めたが、こうなるとここ1週間が気になるところ。桜吹雪や花筏(はないかだ)、花筵(はなむしろ)が方々で見られるようになる。

さて、先日は、たまたま鴨川沿いの遊歩道を散策していると、満開になっている「花海棠(はなかいどう)」に遭遇した。

遭遇したなんて少し大げさかも知れないが、これまで同じ時期に何度も通っている道なのに全く気付かなかった。

改めて見ると、花の深紅色が実に鮮やかで、近くに咲いている桜と比べるて真に艶やかな感じがした。










イメージ 2本日の掲句は、そんな「花海棠」を見て詠んだ句である。上五は当初「沿道」にしていたが、語呂合わせも考えて「街道」にした。

尚、「花海棠」は春の季語。単に「海棠」ということも多い。

イメージ 3「花海棠」は、バラ科リンゴ属の耐寒性落葉小高木。中国が原産で、江戸時代初期に日本に渡来したと言われている。

花期は4月~5月。花色は紅色で花弁は5~10枚。花径は3cm~5cm。花柄は3~6cmと長く数個ずつ下垂する。  

イメージ 4いくつもの品種があるが、その多くは莟が赤く、花が開くと薄紅色に変化し、最終的には白くなる。また、散り際に葉が生えてくる。

和名の由来は、中国名の「海棠」をそのまま読んだもの。実の大きな「実海棠(みかいどう)」に対して「花海棠」と名づけられた。

イメージ 5「海棠」という漢字は、「棠」が梨を意味し、「海を渡ってきた梨」という意味で名付けられたとのこと。

尚、玄宗皇帝が「海棠の睡り未だ足らざるのみ」と、ほろ酔いの楊貴妃を「海棠」に例えた、という故事があり、中国では昔から「海棠」を美人の例えに使うとのこと。

イメージ 6「海棠」を詠んだ句はままあり、以下にはネットで見つけた句をいくつか選定し掲載した。

    【海棠の参考句】
     海棠の花より花へ雨の鵯      (阿波野青畝)
     海棠のよき窓あけて人住めり   (及川貞)
     海棠に乙女の朝の素顔立つ   (赤尾兜子)
     海棠の盛りの支ふ曇かな     (宮津昭彦)
     海棠の雨に愁眉をひらきたる  (行方克巳)

イメージ 7


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