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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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早々と冷たき雨に散る桜

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■ 早々と冷たき雨に散る桜 
                       ( はやばやと つめたきあめに ちるさくら )

イメージ 1昨日の夜半から雨が降り出し、今朝起きて窓を開けて見ると、道の上には桜の花びらが散らばっており、疏水の水面には花筏が列をなして流れていた。

数日前から桜が散り始め、一斉に花が散りだすことを懸念していた矢先だったが、それを後押しするかのような突然の雨。

少し恨めしくもあるが、桜の満開の後、毎年こうした雨が必ず降る。制御できない自然現象でもあり、やむを得ないのかもしれない。

本日はそんなこともあり、投稿を予定していた題材を変え、「雨に散る桜」をテーマに句を詠み、写真を掲載することにした。









イメージ 2
掲句は、その様子をそのまま詠んだ句だが、上五の「早々と」には、もう少し待ってから散って欲しいという思いを込めた。

イメージ 3尚、本句では「散る桜」が春の季語になるが、関連する季語は以下のようにたくさんある。
*以下の季語で「花」は「桜」を指す。

   「桜散る」「花散る」「飛花」「落花」「花吹雪」「花筏」「花筵」「花屑」「花の塵」「花埃」

日本人の桜を愛する気持ちは尋常でなく、花の咲いた状態は当然として、散りゆく桜にも並々ならぬ思いを致してきたことがよく分る。

イメージ 4因みに、過去に「散る桜」で詠んだ句はないが、それを意識して詠んだと句としては以下のものがある。

   ① 花吹雪ああ花筵花筏
   ② 雨あとの道は桜に染まりけり

イメージ 5①は、桜の花が散って、花吹雪(はなふぶき)となり、花筵(はなむしろ)、花筏(はないかだ)になる様子をそのまま詠んだ。
②は、雨が降った後の道が、桜の花びらで埋まり、桜色に染まった様子を詠んだ。

イメージ 6参考句に関しては、「散る桜」「桜散る」「花散る」などを詠んだ句を選んで掲載した。

    【散る桜等の参考句】
     声よくば謡はうものを桜散る    (松尾芭蕉)
     花散るや色即是空と観ずべし   (寺田寅彦)
     花散ると言へど腹へるかなしさよ (小檜山繁子)
     花の世の花散る山の音すなり   (石原八束)
     国中の水の全てに散る桜      (対馬康子)

イメージ 7

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