■ 知らぬ地で知らぬ花見る春の旅
( しらぬちで しらぬはなみる はるのたび )
花の色や形から多分園芸植物だと思うが、畑らしきところに無造作に植えてあって、一面に繁茂していたので、ここに帰化した植物かとも思った。
本日の掲句は、そんな花を見て詠んだものである。
かつてジェリー藤尾が歌った「遠くへ行きたい」のワンフレーズ「知らない街を歩いてみたい」に重ねて詠んでみた。季語は「春の旅」(春)。
さて、花の名前だが、家に帰ってからネット図鑑などで調べた。しかし、どうもぴったり合うものがない。
近いものに「ディモルフォセカ」があったが、花の大きさや葉の形が少し違うような気もする。
もしご存知の方がおられたら、ご連絡いただければ幸いである。
別名に「アフリカ金盞花(きんせんか」がある。似た花に「オステオスペルマム」があるが、交雑種もあり区別が難しいとのこと。
【帰化植物とは】 単に国外から入った植物の意味ではなく、人為的な手段で持ち込まれた植物のうちで、野外で勝手に生育するようになったもののこと(Wikipedia)。従来からその地域で生息・生育する「在来種」に対して「外来種」とも言われる。
春の野草では、「大犬のふぐり」「姫踊子草」「道種漬花」「西洋たんぽぽ」「オランダ耳菜草」などなど。上げればきりがない。
結局、植物の世界でも、強いものが生き残る。また、その強さとは、必ずしも個体の強さではなく、種としての生命力、繁殖力、適応力などの強さのようである。
【春の旅の参考句】
春の旅はげしき海に出会ひけり (阿部みどり女)
思ひ出の街を素通り春の旅 (篠原としを)
パリの月ベルリンの月春の旅 (池内友次郎)
汽車今は地図のこゝゆく春の旅 (石井とし夫)
春の旅海から山へ入りけり (大串章)