■ さらばとて桜紅葉の散りしきる
( さらばとて さくらもみじの ちりしきる )
毎年のこととは言え、綺麗だと思って眺める桜紅葉が散り始めると何となく寂しさが募ってくる。
本日の掲句は、そんな情景を見て、桜紅葉が「来年の春までさらば」と言って散っているようだと詠んだもの。
尚、「桜紅葉」は秋の季語だが、「紅葉散る」は冬の季語。句意から後者を取り冬の句としておきたい。
【関連句】
① 華やぎし桜も紅葉となりにけり
② 旅行生桜紅葉はまだ薄き
③ 綾なせる桜紅葉の流れかな
②は、10月中頃に詠んだ句で、京都を訪れる修学旅行生に対し、まだ紅葉は薄いと少し同情して詠んだ。
③は、近辺の桜並木の紅葉が、樹下を流れる疏水の川藻に絡まり、得も言えぬ色模様を描いている様子を詠んだ。
銀杏黄葉、、漆紅葉、柿紅葉、柏黄葉、欅(けやき)紅葉、桜紅葉、蔦紅葉、
満天星(どうだん)紅葉、合歓(ねむ)紅葉、葡萄紅葉 など (五十音順)
満天星(どうだん)紅葉、合歓(ねむ)紅葉、葡萄紅葉 など (五十音順)
それぞれ、色や形に特色があり違った趣がある。この他にも、季語にはなってないが特色のある紅葉(黄葉)がたくさんあるが、この後は、できるだけ個別に見ることにも心がけたい。
【桜紅葉の参考句】
桜紅葉なるべし峰に社見ゆ (河東碧梧桐)
噴水の根もと煙れり桜紅葉 (星野恒彦)
下枝はみくじの占めて桜紅葉 (田中芙美)
人の世の桜紅葉を僧の掃く (櫛原希伊子)
水の面に桜紅葉の心ばえ (高澤良一)
噴水の根もと煙れり桜紅葉 (星野恒彦)
下枝はみくじの占めて桜紅葉 (田中芙美)
人の世の桜紅葉を僧の掃く (櫛原希伊子)
水の面に桜紅葉の心ばえ (高澤良一)