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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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あんぐりと口をあけたる通草かな

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■ あんぐりと口をあけたる通草かな
                                             ( あんぐりと くちをあけたる あけびかな )


イメージ 1通草(あけび)といえば、小さい頃おやつ代わりに食べたという人の記事を読んだことがあるが、その果実を先日行った植物園で初めて見た。

田舎では、それが自生していなかったせいか、取って食べたという記憶はない。だからどんな味がするのかも分からない。

本日は、その果実が棚に絡まりながら生っているのを見て詠んだ句。ぱっくり割れて白いものが見えているのが印象的だった。

尚、「通草」は果実が秋の季語。花は春の季語。

ところで、通草の果実はどこが食べられ、どんな味がするのか。ネットで調べるたところによると、種の周りのゼリー状のものと皮が食べられるそうだ。

そして、ゼリー状のものはほんのり甘く柿っぽい味で、皮の方は独特の苦みがあるとのこと。

近所の店では売ってなかったが、通販で産地より取り寄せることができるそうなので、機会があれば食してみたい。

イメージ 2因みに花については、今年の4月末に同じ場所で確認し以下の句を詠んでいる。

   雄雌が分かれて垂るる花通草  *雄雌(おすめす)

*通草の花(本年4月末撮影)
イメージ 3この句は、通がが雌雄同株で、雄花、雌花があることを知って詠んでもの。雄と雌は、人間で言えば男と女。それに絡む事件(セクハラなど)が当時非常に注目されていたので、それに関連させて詠んだ。

*雌雄同株(しゆうどうしゅ)とは、同じ株で雄花、雌花があるもの。対して雌雄異株(しゆういしゅ)とは違う株に雄花、雌花がなるものをいう。

イメージ 4通草(木通とも書く)は、アケビ科アケビ属の蔓性落葉低木。花期は4~5月。雌雄同株で花弁は3枚。雄花の中央部には6本の雄しべが房状に、雌花の中央部には6~9本の雌しべが放射状につく。

果実は9月~10月に淡紫色に熟し、果皮が裂ける。このことから「開け実」と言われ転じて「あけび」となったと言われている。漢字の「通草」、「木通」は、蔓を切って吹くと空気が通ることから。

イメージ 5
「通草(木通)」を詠んだ句はままあるが、以下にはネットで見つけた句をいくつか参考まで掲載した。(俳句では「木通」でなく「通草」と表記されることが多い。)

    【通草(木通)の参考句】
     一夜さに柵で口あく木通かな   (小林一茶) 
     林ゆく雨や通草がぬれしのみ   (水原秋桜子)
     夕空の一角かつと通草熟れ    (飯田龍太)
     飯盛山あけび悉皆裂けてけり   (百合山羽公)
     通草蔓ひつぱつてみて仰ぎけり  (深見けん二)

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