■ どうみても葡萄に見える山牛蒡
( どうみても ぶどうにみえる やまごぼう )
この野草、昨年は茎の太さが5cm、高さ2.5mにもなったので根元から伐ったが、根の一部が残っていたせいか、今年も7月初め頃から伸び出した。
この植物を初めて見た時は、その果実から葡萄の一種だろうと思っていたが、調べて見ると「山牛蒡」という名前がついていた。
なぜ、そんな名前がついたのか。数年前に我が小庭に根付いたのものを引っこ抜いた時にに分かった。
何と30cm程もある太くて長い根が出てきたのである。これで牛蒡という名がついたのかと納得した。(最後尾の写真参照。)
尚、「山牛蒡の花」は夏の季語になっているが、果実は季語になっていない。いささか強引だが、本句では、「山牛蒡」を秋の季語に準じて使用した。
【関連句】
① 図太きは我が取柄なり山牛蒡
② 山牛蒡おのが重さに倒れけり
③ 山牛蒡ねばる根っこを牛蒡抜き
②は、あまりにも大きくなり過ぎ、その重みに耐えかねて倒れているのを見て詠んだ句。
③は、山牛蒡の根を抜いた時のことを詠んだもの。最初抜こうと引っ張った時は、びくとも動かなかったが、抜け始めるとするすると抜けた。
名前に「山牛蒡」がついているのは、既述のと通り、根が食用になるキク科ゴボウ属の「牛蒡」に似ていることによる。また、「洋種」は在来種と区別するためにつけられた。
尚、本種は全体が有毒で食べると嘔吐や下痢を起こす。「山ごぼう」という名で市販されている漬物は、森薊(もりあざみ)の根や牛蒡の細い根を漬けたもので本種とは違うことに注意。
「山牛蒡」に関しては、花を詠んだ句はいくらかあるが、果実を詠んだ句はほとんどないので参考句は割愛する。
*種山牛蒡(ようしゅやまごぼう)の根