■ 汝れもまた庭の千草か縮笹
(なれもまた にわのちぐさか ちぢみざさ)
調べても名前が分からないものもあるが、他のブログ記事を見て、初めて知ったのが今日取り上げた「縮笹(ちぢみざさ)」である。
名前は、葉っぱが笹の葉に似ており、葉の縁が波打っているように見えることからつけられたとのこと。イネ科なので花は至って地味。
本日の掲句は、そんな草花を見て詠んだ句。汝(なれ)=おまえも庭の千草の一つなんだよなあというのが句意。
「庭の千草」は、唱歌の題名として知られるが、「庭の千草も むしのねも かれてさびしく なりにけり」という出だし部分が直ぐに思い出される。
この歌では、千草の中にあって華やかに咲く白菊について歌われているが、そもそも「千草」とは、「もろもろの秋の名もなき草」のこと。
秋の草は、春、夏の草に比べて圧倒的に種類が多く、今現在も野に溢れ返っている。そんなことからか「千草」あるいは「八千草(やちぐさ)」は秋の季語にもなっている。
ところで、こういうもろもろの草で、あまり見映えのしないものは「雑草」ということで駆除されるものも多いが、じっくり見るとそれなりに個性があり面白い。そんなことも考慮にいれ、かつて以下の句を詠んだことがある。
八千草と言えば愛らし雑の草
縮草は、イネ科チヂミザサ属の多年草。原産地は日本、アジアなどの温帯から熱帯。木陰に生え、高さは10~30cm。花期は8月~10月。茎頂に緑色の小穂をつける。
以下には、「縮笹」以外の秋の草で、よく見かけるものをいくつか写真のみ掲載した。
【雌日芝(めひしば)】
【雄日芝(おひしば)】