■ 梅雨晴れや日輪のごと地湧金蓮
( つゆばれや にちりんのごと ちゆうきんれん )
それは、非常に珍しい植物だが、掴みどころがなかったこと、あまり愛着が持てなかったためだと思う。
ただ、毎年見ていると、愛着もだんだんと湧いてきて、今回取り敢えず句を詠み、写真と共に取り上げることにした。
本日の掲句は、花の外観の印象を詠んだもので、写真を見てもらえば説明は要しないと思う。
尚、この花は季語でないので、上五に夏の季語「梅雨晴れ」をおいた。
*梅雨晴れ:梅雨の期間中の一時的な晴れ間。
地湧金蓮はバショウ科ムセラ属の亜熱帯性多年草。原産地は中国の雲南省。「ちようきんれん」とも言う。日本でも1990年の大阪花博の目玉植物として展示され、その後全国に普及した。
バナナの近縁種であることから、別名で「チャイニーズ・イエロー・バナナ」とも言う。
【梅雨晴れの参考句】
梅雨晴れのわたくし雨や雲ちぎれ (松尾芭蕉)
梅雨晴れんとして上野の鳶の低く舞ふ (正岡子規)
梅雨晴れや佐久の村人鯉飼へる (田中冬二)
梅雨晴れの或る日選んで靴を干す (高澤良一)
梅雨晴れの満月土間の蓑に射す (高木虹鳩)
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