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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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栄光のインカの色や百合水仙

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■ 栄光のインカの色や百合水仙
         ( えいこうの いんかのいろや ゆりずいせん )

イメージ 1今日取り上げる「百合水仙(ゆりずいせん)」を初めて見たのは、ある山地の温泉に行った時である。民家の畑の一画に植えてあった。

その時の第一印象は、非常に変わった色模様の花だということ。日本原産の花でないことは間違いないが、さてどこの花なのか。

写真を何枚か撮り、自宅に帰ってからネット図鑑で調べたところ、原産地は南アメリカで「インカの百合(Lily of the Incas)」という名があることを知った。そして以下の句を詠んだ。

 麗しく遥かインカの百合の咲く

「百合水仙」というのは、その和名。見た目が百合に似ており、水仙のような特徴を持っていることから付けられたとのこと。






イメージ 2


本日の掲句は、その花を改めて植物園で見て詠んだ句。この花の赤茶けた色合いや奇抜な模様は、どこかしらインカ帝国の民族衣装や風土を想起させる。とは言っても実際行ったことがある訳ではなく、あくまでも博物館や図鑑などで見たイメージに過ぎないが。

尚、「百合水仙」は季語になっていないが、「百合」に準じて夏の季語として使用した。

イメージ 3
インカ帝国については、本ブログでも何度か記事に書いたことがある。その要点は以下の通り。

●インカ帝国は、南アメリカのペルー、ボリビア(チチカカ湖周辺)等を中心にケチュア族が作った国で、15世紀前半から16世紀前半にかけて繁栄したアンデス文明最後の国家と言われている。
●インカとは太陽(インティ)の子という意味で、本来はインカの王のことを指し、インカ民族は、自分たちの国を「タワンティンスーユ(4つの部分)」と呼んだ。
●前身となるクスコ王国は13世紀に成立し、1438年のパチャクテク即位による国家としての再編を経て、1533年にスペイン人のコンキスタドール(征服者)に滅ぼされるまで続いた。
●世界遺産登録のマチュ・ピチュは、15世紀のインカ帝国の遺跡とされているが、未だに解明されていない多くの謎がある遺跡で新・世界七不思議の1つに選ばれている。

イメージ 4
百合水仙は、ユりズイセン(アルストロメリア)科ユリズイセン属の多年草。原産地は南アメリカでアンデス山脈の寒冷地に自生する。わが国へは大正末期か昭和初期に渡来したといわれている。
*分類体系により、ユリ科、ヒガンバナ科に分類されることもある。

イメージ 5花期は5月~7月ごろ。種類によっては4月~11月頃まで咲くとのこと。茎頂で分枝して、白、赤、オレンジなど様々な色の花を咲かす。花弁にある斑点やラインは昆虫を誘うためのものだそうだ。

イメージ 6
学名のアルストロメリアは、スウェーデンの植物学者アルストレーメルの名前に由来。別名には、「インカの百合」の他に、「夢百合草(ゆめゆりそう)」などがある。

季語になっていないこともあり、「百合水仙」で詠まれた句はほとんどないので、参考句は割愛する。

イメージ 7

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