■ 目覚むれば枯木に雪の花盛り
( めざむれば かれきにゆきの はなざかり )
さて、昨日は京都でも雪が降った。近辺に限れば、今年に入って初めての雪なので初雪と言ってもよいだろう。
降った雪はごく僅かで、北国の豪雪と比べれば、ひやかし程度。それでも、周りの木々は真っ白になり、桜の花が一足早く咲いたような風情だった。
本日の掲句は、そんな様子を詠んだ句である。
「枯木に花を咲かせましょう」は、「花咲か爺さん」のセリフだが、灰の代わりに雪が花を咲かせてくれた。
尚、本句では「枯木」と「雪」が冬の季語で季重なり。本句の句意からして、やむを得ないだろう。
因みに、「雪」に関する句は、これまで50句近く詠んでいるが、以下には比較的にましなものを再掲したい。
【関連句】
① 初雪のイリュージョンかなみんな白
② 初雪に追いかけてくる靴の跡
③ どか雪を踏めばぎゅぎゅっと音のする
【初雪の参考句】
初雪や懸けかかりたる橋の上 (松尾芭蕉)
初雪や誰ぞ来よかしの素湯土瓶 (小林一茶)
ちらちらと初雪ふりぬ波の上 (正岡子規)
初雪にころびぬまさに家の前 (岸田稚魚)
初雪や石の寡黙は永久のまま (上村占魚)
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