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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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■大文字山登山 三句(連作もどき)

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■ 大文字山登山 三句(連作もどき)

     ○ せせらぎを聞きつ登りぬ冬の山
               ( せせらぎを ききつのぼりぬ ふゆのやま )
     ○ 頂上や眼下にも見ゆ冬紅葉
               ( ちょうじょうや がんかにもみゆ ふゆもみじ )
     ○ さあ下山膝も笑うよ落葉道
               ( さあげざん ひざもわらうよ おちばみち )

イメージ 1先週の土曜日、数十年ぶりに近くの大文字山(如意ヶ嶽)に登った。

標高が僅か466mの小高い山だが、若い時は忙しくて登れなかったが、歳をとると体力に自信がなくなり、登ることを躊躇ってきた。

ただ、最近は写真を撮ったり、俳句を詠んだりで歩くことも多くなり、登れるかどうか試してみようと思い立って登った。

本日の掲句は、その時のことを連作風に詠んだものである。

第一句は、登山口からゆっくり登り始めると、道に沿って小川が流れていて、山からの水のせせらぎが聞こえてきたことを詠んだ。季語はちょっと安直だが「冬の山」とした。


歩くこと40分(通常所要時間20分から30分とか)。大文字山は「五山送り火」で「大」の字の篝火を焚くことで有名だが、その点火地点に辿り着いた。そこで詠んだのが第二句である。


イメージ 2正確に言えば、頂上はもう少し上にあるのだが、もっとも見晴らしが良い場所なので、上五は躊躇なく「頂上や」とした。ここからは、京都市内が一望できる。山際の紅葉もかなり赤茶けてきたが、その華やぎを残していた。季語は「冬紅葉」。

尚、「頂上や」は、原石鼎の「頂上や殊に野菊の吹かれ居り」から引用したもの。

イメージ 3その後暫く、この場所で眼下に広がるパノラマを楽しんだが、せっかくここまで来たのだからと、本来の頂上を目指した。

思ったよりも時間がかかったものの、何とか頂上の三角点を確認できたが、そこからの眺望はあまり良くなかったので直ぐに下山の途についた。

イメージ 4降りる方は、登るよりも楽で比較的に軽快に歩くことができた。ただ、久しぶりに山登りしたせいか、時々膝が笑った。

第三句は、そのことを詠んだもの。さすがに、登山道には落葉が沢山落ちており、うっかりすると滑って転んでしまう。慎重を期しながら歩き、何とか無事に登山口まで下りることができた。季語は「落葉道」。

イメージ 5後で、万歩計で見たら、歩行数は往復で約7000歩、距離は4.5kmほど。思ったほど大したことはなかったが、今でも何とか登れることが確認でき自信にもなった。

イメージ 6ところで、今回の掲句のサブタイトルに「連作もどき」と書いたが、「連作」とは、かつて水原秋桜子、山口誓子などが主唱した作句法のことである。それは、一句のみでは表現が困難な時間推移等を複数の句で提示する句法である。昭和初期に一時盛んになったものの長続きしなかった。

イメージ 7記事が長くなったので、参考句は割愛する。

イメージ 8▼▼大文字山遠望
イメージ 9▼▼


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