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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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着ぶくれてボートで遊ぶ乙女たち

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■ 着ぶくれてボートで遊ぶ乙女たち
                                                ( きぶくれて ぼーとであそぶ おとめたち )

イメージ 1本ブログでは、主として植物を対象とした俳句及び写真を掲載しているが、この時期は咲く花が少なく、題材を見つけることに一苦労する。

そこで、植物の果実などもよく取り上げるのだが、この方は赤い実が多く、取り上げても単調になりやすい。

そんなこともあり、ひっきょう植物以外の題材を求めることになるが、時節柄よく見かけるのが水鳥。

そう言えば、鴛鴦(おしどり)が渡ってきているのではないかと思い、先日の午後、「宝ヶ池公園」に行ってきた。

しかし、池を一周するも見ることができず完全に当てが外れた。売店の方に聞くと朝方には来ていたとのこと。日を改めて再度来ることにした。

ところで、鴛鴦は見れなかったものの、宝ヶ池の景観は、いつ見ても素晴らしい。池を囲む小山は盛りを過ぎたとは言え、美しい冬紅葉を湛えている。

池の面は平らかで、微風による幽かな波紋が見受けられ、そこに紅葉の山影を映し出している。

そんな情景をぼんやり歩きながら眺めていると、遠くにボートが一艘浮かんでいるのが見えた。よく見ると女性が二人。多分京都に観光で訪れた学生だろう。

イメージ 2かなり前書きが長くなったが、本日の掲句は、その様子を詠んだ句である。よりによって、この寒い時期にボート遊びとは。「着ぶくれ」は冬の季語。

尚、下五については「二人連れ」とすることも考えたが、恋人同士がイメージされ、実際見たものとかなり印象が違ってくるので「乙女たち」とした。


イメージ 3因みに、「着ぶくれ」という季語を使い、過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① 着ぶくれてふくら雀と出会いけり
    ② 着ぶくれて不動の青鷺見ていたり

イメージ 4①は、ダウンジャケットで着ぶくれになった自分とふくら雀の取り合わせの句。「着ぶくれ」「ふくら雀」は
ともに冬の季語で、本句は季重なり。
②は、岸辺でじっと立って動かない青鷺を見て詠んだ句。この頃の青鷺は仙人のような風格がある。

イメージ 5参考句として、「着ぶくれ」を詠んだものをいくつか以下に掲載した。

    【着ぶくれの参考句】
      心まで着ぶくれをるが厭はるる     (相生垣瓜人)
      百貨店めぐる着ぶくれ一家族      (草間時彦)
      文化財中住みて見られて着ぶくれ子  (鍵和田釉子)
      着ぶくれを一時預けに搭乗す      (井村育子)
      村人も祢宜も着ぶくれ神祀る       (小野久仁子)

イメージ 6▼国立京都国際会館
イメージ 7

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