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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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小春日の橘もどき雁もどき

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■ 小春日の橘もどき雁もどき
                ( こはるびの たちばなもどき がんもどき )

イメージ 1今日は、勤労感謝の日。最近は勤労らしい勤労はやっていないので、現在は、感謝される側でなく、もっぱら感謝する側に立っている。

話はがらっと変わるが、近辺では南天(なんてん)を始めとして赤い実をつけている植物を方々でみかける。ピラカンサもその一つで、木全体を燃えるような赤い実で覆っている。

ただ、このピラカンサには、赤だけでなく橙色の実をつけるものもある。区別するために、これを和名では「橘擬き(たちばなもどき)」という。

実の色がミカン科の「橘(たちばな)」の色に似ているから、その名がついたそうだ。
*赤い実の方の和名は「常盤山査子(ときわさんざし)。

「擬き」とは、「○○に似せた」、あるいは「○○のような」という意味合いだが、悪く言えば「まがい物」「偽物」「パクリ」で、あまり嬉しい名前ではない。

そんなことをつらつら考えながら詠んだのが、本日の掲句である。下五の「雁もどき」は、調子合わせのため「もどき」つながりで使った。

尚、「橘もどき」も「雁もどき」も季語でないので、上五に冬の季語の「小春日」をおいた。


イメージ 2事の序に、他にも「擬き」がついた植物があるのか調べたところ、あるサイトに70種ぐらいあると記されていた。例を挙げれば以下の通り。

   ・梅擬き ・サフラン擬き ・蔓梅擬き ・石楠花擬き ・枇杷擬き ・藤擬き  など

植物の名前にも、かなり適当につけられているものが多いと改めて思った。

イメージ 3尚、既出の「雁擬き」は、「おでん」などの具材でおなじみだが、元々は精進料理の一つ。雁の肉に味を似せたということから、この名がつけられたと言われている。(異説あり)

イメージ 4橘擬きは、バラ科タチバナモドキ(ピラカンサ)属の常緑低木。原産地は中国南西部。日本には明治時代に渡来。庭木・生垣などでよく見かける。

花期は5月~6月。白色の小花を散房花序につける。果実は小さな扁球形で晩秋に橙色に熟す。拡大してみると柿の実のようにも見える。

イメージ 5「橘擬き」に関して詠まれた句はほとんどないので、参考句は割愛する。

イメージ 6


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