■ 銀杏散る模擬店賑わう大学祭
( いちょうちる もぎてんにぎわう だいがくさい )
そんな京都の街では、10月から11月にかけて大学祭(学園祭)が方々で行われる。近くにある京都大学でも、昨日23日から26日まで「11月祭」と称する大学祭が開催される。
特に思い入れがある訳ではないが、最近の学生気質を探ることも兼ね、毎年暇つぶしに訪れ会場をゆっくり散策する。
やっていることは昔とあまり変わらず、様々なテーマで展示会をしたり、模擬店を出したり、音楽や踊りのパフォーマンスをしたり。
ただ、自分が学生だった頃と大きく変わった点は、学生運動で荒れた状況はなくなり、学生のパフォーマンスがかなり洗練されてきたことである。
掲句は、そんなこともつらつら考えながら詠んだ句。特に光輝きながら散っていく銀杏黄葉(いちょうもみじ)と大学祭との取り合わせを意識して詠んだ。
大学祭威容の銀杏散りしきる
この時は、特に林立する銀杏の大木の威容とその落葉に注目して詠んだ。
【関連句】
① 家路へのヘッドライトに散る銀杏
② いちょうという「ちょう」が舞い散る街路かな
①は、夕方6時を少し過ぎた頃、道路沿いに銀杏の落葉が重なり、家路を急ぐ自動車のヘッドライトに照らされて光っているのを見て詠んだ。
②は、散る銀杏の葉をひらひらと舞う蝶に見立てて詠んだ句。
【銀杏散るの参考句】
母と子と拾う手元に銀杏散る (高浜虚子)
銀杏散る童男童女ひざまづき (川端茅舎)
銀杏散るまつだだ中に法科あり (山口青邨)
態となる跣なりけり銀杏散る (阿波野青畝)*態と(わざと) *跣(はだし)
銀杏散るけふも月痕ありにけり (五十崎古郷)
*月痕(げっこん):明け方、ほの明りの中に残っている月の痕跡。夜明けの月影。