■ 秋暑く未だ盛りのジニアかな
( あきあつく いまださかりの じにあかな )
先週の土曜日に、2週間ぶりに植物園に行ってきた。
特に目新しものはなく、目を引いたのは、夏の最中から咲いているカンナ、ペチュニア、ベゴニア、サルビア、そして今日取り上げる「ジニア」など。
「ジニア」は、百日草(ひゃくにちそう)という和名でも知られている花だが、最近は園芸品種が増えたこともあり、この名前で呼ばれることも多い。
百日草という名は、花期が非常に長く、百日ぐらい咲いているということで付けられたものだが、その名の通り今もって盛んに咲いている。
本日の掲句は、そんな花を見て詠んだ句。下五は「百日草」でも良かったが、気分転換に「ジニア」を使ってみた。
尚、ジニア=百日草は夏の季語なので、上五に「秋暑く」という秋の季語をおいて秋の句とした。
因みに、百日草に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。何故か、いずれの句も秋に入ってから詠んでいる。
【関連句】
① 新涼やひたすらに咲く百日草
② 百日草いつの間にやら暮るる秋
③ 咲き継ぐは三月十日や百日草
①は、秋の初めの涼しさを感じつつ、ひたすら咲き続けている百日草を見て詠んだ。
②は、晩秋である10月に末に詠んだ句。この時に至っても花の勢いは衰えることがなかった。
③は、百日を三月十日(みつきとおか)と言い換えて詠んだ句。この方が具体的に期間の長さがよく分かる。
百日草は、キク科ヒャクニチソウ属の一年草。ジニアは、その学名で植物学者の名に由来する。原産地はメキシコ高原。日本には江戸時代末期に渡来したとのこと。
当初は仏花として栽培される程度だったが、現在では花色や咲き方が違う多くの種類があり、公園や学校などの花壇にもよく植えられている。
花期は6月~10月。花色には、白、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、複色などがある。また、咲き方には、ダリア咲き、ポンポン咲き、アネモネ咲きなどがある。
「ジニア」で詠んだ句はほとんどないため、以下には「百日草」で詠んだ句をいくつか選定し掲載した。(過去に掲載したものを除く。)既述の通り、この草花は夏の季語なので、特に秋の季語がない句は、7月から8月初旬を思い出して味わっていただきたい。
【百日草の参考句】
自得して百日草は愚の如し (遠藤梧逸)
病みて日々百日草の盛りかな (村山古郷)
病みて日々百日草の盛りかな (村山古郷)
百日草がんこにがんこに住んでいる (坪内稔典)
見ぬふりというふりをして百日草 (岸本マチ子)
百日の中の一日や百日草 (三沢正恵)
見ぬふりというふりをして百日草 (岸本マチ子)
百日の中の一日や百日草 (三沢正恵)