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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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種漬花咲けば始まる野良仕事

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■ 種漬花咲けば始まる野良仕事
                                           ( たねつけばな さけばはじまる のらしごと )

イメージ 1野に出れば、だんだんと春の野草の花も咲きだしてきた.。

今日は、よく目にする草だが、名前が知られていないと思われる野草「種漬花(たねつけばな)」を取り上げたい。

この野草は、水田、道端などに群生し、茎の先端に白い穂状の花を咲かす。果実は細長い棒状で上向きにつける。

一見するとナズナ(薺)に似ているが、ナズナは三味線のバチに似た果実をつけるので容易に区別がつく。

名前は、この花が咲く頃に、種籾(たねもみ)を水に漬け、発芽を促して苗代に蒔くので付けられたそうだ。

本日の掲句は、そのことを知った上で詠んだ句である。

「種漬花」は季語になってないようだが、今の時期に咲くので春の季語に準じた扱いをした。


▼▼
イメージ 2余談だが、昔は種漬けをし、苗代に種を撒いて苗を育て、それを束ねて田植えをした。農家に生まれたので、幼い時にその田植えを手伝い、小遣いを貰ったことを覚えている。

しかし、現在は相当やり方が変わってきているようだ。まず1970年代に田植機が普及しだし、田植えという家族総出の重労働が次第になくなってきた。

イメージ 3更に最近は、苗代を作ることなく、種籾を直接田んぼに撒く「直播き(じかまき)」という栽培方法も一部導入されているとのこと。

これは、農業の担い手の減少、高齢化に対応すると同時に大規模化、低コスト化などを狙ったもの。野良仕事も時代に応じてどんどん変わってきているようだ。

イメージ 4種漬花は、アブラナ科タネツケバナ属の越年草。花期は3月〜5月。花は白色、花弁は長さ3〜4mm。果実は無毛で長さ2cm内外。

種漬花の種類は多く、区別がなかなか困難である。多分、写真のものは「道種漬花(みちたねつけばな)」と思われる。

在来の種漬花によく似ているが、花はそれよりも小さく開花が早い。1980年代に確認されたヨーロッパ原産の帰化植物で、乾燥した場所でも育ち、現在生育地を急速に広げているとのこと。

「種漬花」は、季語になっていないせいもあり、それを詠んだ句が見つからなかったので参考句は割愛する。

イメージ 5

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