■ 嵐山・嵯峨 二句
冬季は花の少ない時期であり、主として花の句を詠んでいる者は、どうしてもネタ切れになる。そこで、先週の土曜日、久しぶりに嵐山・嵯峨野の方に行ってきた。今日と明日は、そこで拾った句と何枚かの写真を掲載したい。
○ 冬紅葉くすみ暮れ行く嵐山
( ふゆもみじ くすみくれゆく あらしやま )
掲句は、その紅葉がまだ鮮やかな部分を残しつつも、全体的にくすんできている様子を詠んだもの。おりしも年末を迎え、嵐山も静かに暮れていく感じだった。季語は「冬紅葉」。
嵐山は、京都市街の西に位置し、平安時代に貴族の別荘地となって以来、京都の代表的な観光地となっている。
写真に写っている渡月橋(とげつきょう)は、嵐山の中心部を流れる桂川にかかっており、嵐山の象徴にもなっている。
因みに、嵐山に関しては、紅葉の最盛期に来て以下の句を詠んでいる。
紅葉狩る人なみ荒し嵐山
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【嵐山の参考句】
炬燵出て歩いてゆけば嵐山 (波多野爽波)
散るのみの紅葉となりぬ嵐山 (日野草城)
水べりに嵐山きて眠りたる (後藤夜半)
炬燵出て歩いてゆけば嵐山 (波多野爽波)
散るのみの紅葉となりぬ嵐山 (日野草城)
水べりに嵐山きて眠りたる (後藤夜半)
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○ 竹林に北風そよぐ嵯峨野かな
( ちくりんに きたかぜそよぐ さがのかな )
その地域には、いろいろな名所があり、中でも竹林の道は有名である。
この道は、竹林の中を通る約200mの小道だが、周囲から閉ざされた幽玄の世界に誘われる気分になる。
掲句は、そんな竹林にときおり吹き込む北風に、竹林の枝葉が揺れ動く様を見ながら詠んだ句である。本句では「北風」が冬の季語。
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【嵯峨野の参考句】
霜月の野の宮殘る嵯峨野哉 (正岡子規)
嵯峨野路を巡りしあとの蕪蒸 (吉川康子)
青竹の節に雪積む嵯峨野かな (新谷文子)
霜月の野の宮殘る嵯峨野哉 (正岡子規)
嵯峨野路を巡りしあとの蕪蒸 (吉川康子)
青竹の節に雪積む嵯峨野かな (新谷文子)