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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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走り根が掴む落葉の地球かな

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■ 走り根が掴む落葉の地球かな
                               ( はしりねが つかむおちばの ちきゅうかな )

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先日ある古いお寺の参道を歩いた時に、大きな杉の木の根が土の上を這っているのを見た。

見たと行っても、何度も見ている光景なのだが、この根のことを何と言うか知らなかったのでネットで調べてみた。

いろいろと検索してみると、俳句では「走り根(はしりね)」と呼ばれており、いろいろな俳人がそれを詠んでいることが分かった。

ただ、辞書にはそのような説明がなく、盆栽用語として、「土中において、他の根に比べ極端に長く伸びた根のこと。」と説明されていた。

明らかに、地表に浮き出た根とは違う説明。どうも俳句で使う「走り根」は、一般的な言葉としては定着してい
ないようだ。






イメージ 2

本日の掲句は、そんな「走り根」を詠んだものだが、原句は以下の通り。

    走り根が大地をしかと掴みおり

ただ、「走り根」は季語ではないので、中七に冬の季語「落葉」を入れた。また、「大地」も思い切って「地球」に変えた。


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因みに、「走り根」に関して過去に詠んだ句はないが、他の俳人が詠んだ句はままある。以下には、その中から何句かを選んで掲載した。

     【走り根の参考句】
      露店立つ前を走り根秋まつり  (皆吉爽雨)
      走り根の走り止まざる冬の崖  (山田 弘子)
      奔放な鞍馬の走り根五月闇   (檜紀代)
      走り根につまづくことの山始   (福永耕二)
      喬木の走り根ひそむ落葉みち (高澤良一 )*喬木(きょうぼく)=高木

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