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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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秋山に浅葱斑が乱舞せり

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■ 秋山に浅葱斑が乱舞せり
                                  ( あきやまに あさぎまだらが らんぶせり )

イメージ 1先週の土曜日、久しぶりに比叡山山頂のガーデンミュージアムに行ってきた。この施設は、2001年4月に開設された洋風庭園で、陶板に写された印象派の画家モネ、ゴッホなどの絵が展示されている。

今は様々な秋の花が植えてある
が、先日行った時は盛りを過ぎた花も多く、華やかさは今一つだった。

そんな庭園で、思いがけなく出くわしたのが、一画に植えてあった藤袴(ふじばかま)に群がる「浅葱斑(あさぎまだら)」である。

ざっと数えてみると十数頭(匹)はいた。こんなに沢山の浅葱斑を一か所で見たのは始めであり、暫し佇んで、その乱舞を眺めた。

本日の掲句は、その様子をそのまま詠んだ句である。上五に「秋山」の季語をおいたのは、浅葱斑が季語でないため。特に平地でなく山で見たことを強調したかった。

ところで、浅葱斑は、季節によって1500kmから2500kmも移動するという渡り蝶として、一般にもよく知られている。

春には、台湾や沖縄諸島で成蝶になったものが、暖かい南風に乗って本州へ渡ってくる。秋になると本州で成蝶になったものが、北から南に吹く大風に乗り南西諸島へと向う。

イメージ 2
浅葱斑の寿命は長いもので約半年。渡ったところで卵を産み一生を終えるので、北上するグループと南下するグループは違う世代だそうだ。

それにしても、あの小さな蝶が子孫を残すためとはいえ、こんな大移動をしているとは・・・。

イメージ 3因みに、「浅葱斑」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

    秋風や二千キロゆく渡り蝶

この句は、初めて浅葱斑を実際に見、その生態を知った時に詠んだ句。その時は、こんな蝶がいるのかと非常に驚いたことを記憶している。

イメージ 4浅葱斑は、タテハチョウ科アサギマダラ属の蝶。世界中に約450種いるそうだが、すべて毒蝶だそうだ。藤袴、ヒヨドリバナ等の蜜は有毒で、それを体内に取り込み、鳥などの天敵に食べられないようにしているとのこと。

翅は半透明の水色で、鱗粉が少ないのが特徴。名にある「浅葱」は青緑色の呼称。

「浅葱斑」を直接詠んだ句は見つからなかったので、参考句は割愛する。

イメージ 5


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