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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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シャッターを押せば名画や紅葉山

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■ シャッターを押せば名画や紅葉山
          ( しゃったーを おせばめいがや もみじやま )
 
紅葉の方は、今ピークに達してきており、京都の東山も色とりどりの紅葉で、えも言われぬ模様を綾なしている。掲句は、そんな状況を詠んだ句で、カメラをどこに向けても、シャッターを押せば、それなりに美しい“名画”ができるという句意である。
 
イメージ 1下五は、立冬後なので「冬紅葉」を使うことも考えたが、中七の「名画」との絡みで「紅葉山(もみじやま)」を使った。これは秋の季語なので季はずれになるが、このまま秋の句として残すことにした。

ところで、この句を推敲しながらふと思ったことは、フルオートでシャッターを押せば、ど素人でも名画のように写せる、今のデジカメ技術の凄さである。このデジカメがなければ、掲句は恐らく思いつかなかっただろう。

そこでことのついでに、この目覚ましい進歩を遂げたカメラの歴史について、ざっと調べて見た。

【カメラの歴史】
●1826年:仏人のニエプス兄弟が世界初の
   写真撮影に成功。
●1839年:仏人がダゲレオタイプ(銀板写
   真)を発表。世界初のカメラを発売。
●1890年代:蛇腹式手持ちカメラ(ホールディングカメラ)が作られる。
●1920年~30年代:小型高性能カメラの開発競争。
●1948年:ポラロイド社から、初のインスタントカメラ(ポラロイド)が発売される。
●1950年:世界初の一眼レフカメラが発売される。その後、急速に普及。
●1986年:富士写真フイルムが使い捨てカメラ「写ルンです」を発売。
●1988年:富士写真フイルムが世界初のデジタルカメラを発表。
●1990年~現在:デジタルカメラの高性能・低価格化の開発競争。
●1999年:カメラ付き携帯電話が京セラから発売。

カメラは1950年代の一眼レフカメラの発売により急速に普及したといわれるが、それでもまだ高額で一部の愛好者のものだった。1986年発売の使い捨てカメラは、その状況を一変し、写真を撮ることを身近にした。
 
その後、デジカメが発明・発売され、メーカーの鎬を削る競争を経て、高性能・低価格のものが続々と誕生した。そして今は、携帯電話にもカメラが搭載され、カメラが日常生活に必須のアイテムとなっている。デジカメの歴史は僅か20数年だが、その進歩たるや恐るべしである
 
    【紅葉山の参考句】
     鉾杉が頂上に立つ紅葉山       (山口誓子)
     家裏に空瓶透いて紅葉山       (桂信子)
     酒のあと寝ること残る紅葉山    (鈴木六林男)
     うつすらと巌も映えて紅葉山    (鷹羽狩行)
     行く雲を染めては流す紅葉山    (林翔)
 
イメージ 2

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