■ 黒光る石のきざはし朝時雨
( くろびかる いしのきざはし あさしぐれ )
昨日は朝から雨模様で、昼からもずっと雨が降っていた。それほど強い雨でもなく、降ったり止んだりの雨で、まさに時雨(しぐれ)というに相応しい雨だった。
ところで、時雨は冬の季語だが、それにいろいろな語を加えて季語になっているものが多い。その主なものを自己流に分類して示すと、以下のようになる。
降る時:初時雨/朝時雨/夕時雨/小夜時雨
降る所:磯時雨/山時雨
降り方:村(群)時雨/片時雨/横時雨/北時雨
降る物:山茶花時雨/月時雨/雪時雨
その他:時雨雲/時雨心地/時雨傘
降る所:磯時雨/山時雨
降り方:村(群)時雨/片時雨/横時雨/北時雨
降る物:山茶花時雨/月時雨/雪時雨
その他:時雨雲/時雨心地/時雨傘
また、「春時雨」など季節の語をつけて、それぞれの季節の季語にすることができる。
時雨といえば、松尾芭蕉が好んで詠んだ季題とも言われ、彼の命日(陰暦10月12日)は「時雨忌」と呼ばれている。その代表的な句としては以下のものがある。
初しぐれ猿も小蓑をほしげ也 (46歳作 「猿蓑」 )
旅人と我名よばれん初時雨 (44歳作 「笈の小文」 )
初しぐれ猿も小蓑をほしげ也 (46歳作 「猿蓑」 )
旅人と我名よばれん初時雨 (44歳作 「笈の小文」 )
【芭蕉を除く時雨の参考句】
楠の根を静にぬらす時雨哉 (与謝蕪村)
深川は月も時雨るる夜風かな (杉山杉風)
新宿に荷馬ならぶや夕時雨 (正岡子規)
.うしろすがたのしぐれてゆくか (種田山頭火)
時雨来て沖の江ノ島墨の色 (岡輝好)