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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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塀越しにぽっぽっぽぽっと紫木蓮

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■ 塀越しにぽっぽっぽぽっと紫木蓮 
                            ( へいごしに ぽっぽっぽぽっと しもくれん )

イメージ 1白木蓮(はくもくれん)は、花びらが錆色になり散ったものも多いが、少し遅れて咲きだした紫木蓮(しもくれん)の方は、まだ花を咲かせているものを時々見かける。

本日の掲句は、その紫木蓮を、あるお宅の塀越しに見て詠んだ句である。その様子をどう表現するか迷ったが、「ぽっぽっぽぽっとという擬態語を使ってみた。

尚、「紫木蓮」は、「白木蓮」と区別するための呼称で、通常「木蓮」というとこれを指す。「木蓮」「紫木蓮」は、春の季語。

ところで、木蓮は非常に艶やかな花だが、意外なことに、これまで以下の一句だけしか詠んでいない。

  白れんに白き光の炎立つ

花の姿をを白い炎に喩えたものだが、誰もが思いつきそうな暗喩で、いささか平凡と言わざるをえない。「白れん」は白木蓮の別称。

イメージ 2木蓮はモクレン科モクレン属の落葉低木。原産地は中国南西部。花期は4月~5月。花は外側が濃い紅色ないしは桃色、内側は白。花弁は6枚、がくは3枚。上品な強い芳香を放つ。

イメージ 3木蓮は、花がランに似ていることから「木蘭(もくらん)」という漢名で呼ばれていたこともあったそうだが、ランよりもハスの花に似ているということで、和名では「木蓮(もくれん)」と呼ばれるようになったとのこと。

近縁種の白木蓮は、葉に先立って白い炎のように半開きの形で上向きに花を咲かせる。開花時期は(紫)木蓮よりも少し早い。

イメージ 4
「木蓮」「紫木蓮」を詠んだ句は結構ある。以下にそのいくつかを掲載した。

     【木蓮、紫木蓮の参考句】
      木蓮に夢のやうなる小雨哉   (夏目漱石)
      木蓮と大きな門の記憶のみ   (富安風生)
      木蓮の風のなげきはただ高く  (中村草田男)
      木蓮のため無傷なる空となる  (細見綾子)
      曇りゐて花びら重し紫木蓮    (上村占魚)

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