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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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陽だまりに日本水仙耀えり

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■ 陽だまりに日本水仙耀えり
           ( ひだまりに にほんずいせん かがよえり )

イメージ 5先日あるバス停に寄った時、付近の家の板塀前に沢山の日本水仙(にほんずいせん)が咲いているのに出会った。丁度日が差していて、白色の花弁と真ん中の黄色の部分(副花冠)が仄かに輝いていた。本日の掲句は、その情景を詠んだものである。

この句で、あえて「日本水仙」としたのは、「日本」を多少とも意識したからである。昨年来、世界の情勢は大きく変化し、だんだんと、きな臭くなってきた。また、訪日外国人も急激に増え、日本を改めて見直す機会も多くなってきた。

今年は、まさに日本の行く末を考える年になると思うが、できれば淑やかな日本水仙のように、平和で美しい日本が今後とも続くことを念願したい。ただその方法論については、いろいろと議論があるようなので、ここではこれ以上触れない。

尚、「日本水仙」は、「水仙」「水仙花」とともに冬の季語となっており、過去には以下の句を詠んでいる。*「黄水仙」は春の季語。

   【関連句】
    ① 水仙の笑うがごとく咲きにけり
    ② 水仙花卵の色に咲きにけり
    ③ バス停に送る人あり水仙花

イメージ 1①は、
冬の日差しを受けた水仙を見た時に、やさしく笑っているような感じがして詠んだ句。
②は、花の色が「ゆで卵」の切り口に似ているので、その印象をそのまま詠んだ。句の調子は、芭蕉の「秋海棠西瓜の色に咲きにけり」を真似た。*秋海棠(しゅううかいどう)
③は、ある人をバス停まで送って行った時のことを思い出し詠んだ句。

イメージ 2水仙は、ヒガンバナ科スイセン属の多年草で、冬から春にかけて白や黄の花を咲かせる。原産地は地中海沿岸地域。原種は30種類ほどだが、園芸品種が1万品種以上もあり、年々その品種が増えているそうだ。日本水仙は、平安時代の末期に中国経由で渡来したとのこと。

「すいせん」という名は、中国での呼び名「水仙」を音読みしたもの。「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来し、水辺で咲くきれいな花の姿と芳香から、まるで「仙人」のようだということで命名されたとのこと。別名に 「雪中花(せっちゅうか)」がある。

イメージ 3「水仙」「水仙花」を詠んだ句は多く、過去にも何句か紹介したが、以下にはそれ以外のものをいくつか掲載した。

     【水仙等の参考句】
       初雪や水仙の葉のたわむまで   (松尾芭蕉)
       水仙や日の出をまてる海の雲   (水原秋櫻子)
       水仙や来る日来る日も海荒れて (鈴木真砂女)
       水仙の花びら氷りゐたりけり    (長谷川櫂)
       水仙と矢の翔ぶやうな青空と   (奥坂まや)

イメージ 4


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