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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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蒼天にメタセコイアの紅葉散る

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■ 蒼天にメタセコイアの紅葉散る  
                    ( そうてんに めたせこいあの もみじちる )

イメージ 1メタセコイアを知ったのは数年前のことで、植物園で初めて現物を見た。針葉樹の一種で、生長すると樹高25mから30mにもなる。11月の終わりごろから12月にかけて赤茶色に紅葉し、その後、葉が全て落ちて裸木状態になる。

先日は、そのメタセコイアが遅ればせながら紅葉しているのは見た。丁度冬晴れの青空が広がっていたので、浮き立つように見えた。本日の掲句はその様子を詠んだものである。

上五の「蒼天(そうてん)」とは青空のことだが、この植物は樹高が高いので「天」を使うことに拘った。紅葉の色は、赤と黄の中間ぐらいで赤茶色。「黄葉」とすることも考えたが最終的に「紅葉」とした。本句では「紅葉散る」が冬の季語。



因みに、メタセコイアに関しては過去に以下の一句だけ詠んでいる。

     メタセコイアの太古に続く冬の天

イメージ 2メタセコイアは、日本では新生代第三紀層(6500万年前~200万年前)の化石として発見され、絶滅した種とされていたが、1946年に中国で現存することが確認され「生きている化石」とも呼ばれている。

上句は、そのことを知って1月の中頃に詠んだもの。メタセコイアは葉をすっかり落とし、裸木状態になっていた。

イメージ 3メタセコイアは、スギ科メタセコイア属の針葉樹で、葉はモミやネズに似て線のように細長い。常緑でなく、既述の通り赤茶色に紅葉して落葉する。結実は多く、秋から冬にかけて無数の種が地表に落ちる。和名は「曙杉(あけぼのすぎ)」。

種子から育苗していたアメ リカの博士から、1949 年に天皇に献呈されたのが日本のメタセコイア第 1 号。 翌年、100本の苗木がアメリカから送 られ、それらの木から挿し木 された苗 が日本各地に広がり、学校等に移植さ れた。 滋賀県高島市のメタセコイア並木が有名。

イメージ 4「メタセコイア」を詠んだ句は非常に少ないが、ネットで見つけた句を以下に参考まで掲載する。

    【メタセコイアの参考句】
     メタセコイアは神経の束冬澄めり    (小檜山繁子)
     初御空メタセコイアの昔より        (鈴木貞雄)
     冬青空メタセコイアは祈りの樹      (佐藤きらら)
     メタセコイアの大樹三本紅葉す      (元風骨)
     冬枯れのメタセコイアのこの微熱    (鶴濱節子)

イメージ 5


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