■ 鷺草やつがいで大空翔るごと
( さぎそうや つがいで おおぞらかけるごと )
鷺草(さぎそう)については、図鑑などで見たことはあったが、実物は見たことがなかった。その鷺草を先日京都府立植物園の植物生態園で見た。小さい池の近くにある小川沿いに植えてあ
って、花は2輪だけ咲いていた。それが正に、上下に並んで大空を翔(かけ)る白鷺を彷彿とさせた。
上句は、そんな鷺草の印象をそのまま詠んだ句である。この句はどちらかというと写真主体の句で、画像がなければイメージできないかもしれない。尚、「鷺草」は夏の季語なので、夏の句として残すことにする。
*つがい(番):動物の雄と雌の一組み。
*翔る(かける):空高く飛ぶ。飛翔(ひしょう)する。
鷺草は、ラン科サギソウ属(ミズトンボ属)の多年草。日当たりの良い山野の湿原などに生えるが、観賞用としても栽培される。開花時期は7~8月。30~40cm位の直立した茎に2・3輪ずつ純白の花をつける。
名前は、花の形が、白鷺が翼をひろげて舞う姿に似ていることからつけられた。
【鷺草の参考句】
風が吹き鷺草のみな飛ぶが如 (高浜虚子)
鷺草の残り少なく白澄みぬ (石田波郷)
朝の鐘鷺草雨の九連花 (永井東門居)
鷺草のそよげば翔つと思ひけり (河野南畦) *翔つ(たつ)
鷺草に一指の影のゆれやすし (原裕)
風が吹き鷺草のみな飛ぶが如 (高浜虚子)
鷺草の残り少なく白澄みぬ (石田波郷)
朝の鐘鷺草雨の九連花 (永井東門居)
鷺草のそよげば翔つと思ひけり (河野南畦) *翔つ(たつ)
鷺草に一指の影のゆれやすし (原裕)