■ 岩となり山椒魚は生きてきし
( いわとなり さんしょううおは いきてき し )
本日の掲句はその第一弾で、この水族館の目玉の一つである大山椒魚(おおさんしょううお)を見て詠んだもの。水槽の岩の下に大きな体を隠し、体の色や模様をそれに同化させて動かない姿が印象的だった。(2枚目の写真参照)
尚、「山椒魚」は季語ではないと思っていたのだが、調べてみると夏の季語になっていた。年中見られる魚なのに何故なのだろう。今後、機会があれば他の動物ともあわせて調べてみたい。
ところで、掲句を見て、井伏鱒二の短編小説「山椒魚」を思い出された人もあるのではないだろうか。かく言う自分は、本ブログの記事を書くにあたり、ネットで「山椒魚」を検索した時に気が付いた。
あらすじを書いたサイトを読んで思い出したが、この小説は、岩家の中に棲んでいる内に体が大きくなって出れなくなった山椒魚の悲嘆を描いたものである。一方掲句は岩に同化して、しぶとく生きる山椒魚にある思いをもって詠んだものであり、モチーフは大分違うようだ。
他の両生類(カエル、イモリなど)と同じように、皮膚には鱗がなく粘膜に覆われている。呼吸の大半を皮膚呼吸に頼っていて、皮膚が湿っていないと生存できない。また、前足は4本、後足は5本の指を持つ。
山椒魚の名は、体のイボが山椒の樹の皮に似ていること、あるいはそのイボに触れると山椒に似た香りがすることからつけられたと言われている。古くは椒魚(はじかみいお)と呼ばれた。
【山椒魚の参考句】
山椒魚この滝に棲む神代より (山口青邨)
山椒魚の水に鬱金の月夜かな (飯田龍太)
生きすぎて忘れらるるな山椒魚 (鷹羽狩行)
わが影を逸れて沈みぬ山椒魚 (小林碧郎)
石よりも石の顔して山椒魚 (栗原稜歩)
尚、「山椒魚」は季語ではないと思っていたのだが、調べてみると夏の季語になっていた。年中見られる魚なのに何故なのだろう。今後、機会があれば他の動物ともあわせて調べてみたい。
ところで、掲句を見て、井伏鱒二の短編小説「山椒魚」を思い出された人もあるのではないだろうか。かく言う自分は、本ブログの記事を書くにあたり、ネットで「山椒魚」を検索した時に気が付いた。
あらすじを書いたサイトを読んで思い出したが、この小説は、岩家の中に棲んでいる内に体が大きくなって出れなくなった山椒魚の悲嘆を描いたものである。一方掲句は岩に同化して、しぶとく生きる山椒魚にある思いをもって詠んだものであり、モチーフは大分違うようだ。
*中下⇒がオオサンショウウオ
![イメージ 2]()
山椒魚は、両生綱・有尾目(またはサンショウウオ目)サンショウウオ上科に属する動物の総称である。一般に名前が知られているのは全長50cm〜150cmのオオサンショウウオ(大山椒魚)。世界最大の両生類で国の天然記念物にもなっている。その他の種類のものは20cm以下と小型である。
他の両生類(カエル、イモリなど)と同じように、皮膚には鱗がなく粘膜に覆われている。呼吸の大半を皮膚呼吸に頼っていて、皮膚が湿っていないと生存できない。また、前足は4本、後足は5本の指を持つ。
山椒魚の名は、体のイボが山椒の樹の皮に似ていること、あるいはそのイボに触れると山椒に似た香りがすることからつけられたと言われている。古くは椒魚(はじかみいお)と呼ばれた。
山椒魚は非常に特徴のある動物のせいか、詠まれた句が意外に多い。その中から参考になるものをいくつか選んで以下に掲載した。
山椒魚この滝に棲む神代より (山口青邨)
山椒魚の水に鬱金の月夜かな (飯田龍太)
生きすぎて忘れらるるな山椒魚 (鷹羽狩行)
わが影を逸れて沈みぬ山椒魚 (小林碧郎)
石よりも石の顔して山椒魚 (栗原稜歩)