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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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■清水(寺)と紅葉 二句

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■ 清水(寺)と紅葉 二句

        ○ 清水の紅葉酔いする舞台かな 
                   ( きよみずの もみじよいする ぶたいかな )
        ○ 清水の舞台浮かべて紅葉濃し 
                   ( きよみずの ぶたいうかべて もみじこし )
 
イメージ 1京都には、紅葉の名所と呼ばれる古刹が沢山あるが、その中でも有名なのが「清水寺」である。この寺は、これまで何度も訪れているが、紅葉の最盛期に行ったのはかなり前だったので、今回行って見ることにした。

八坂神社からねねの道を通り、二年坂、三年坂(産寧坂)を上って行ったのだが、三連休の最中であり、予想通りものすごい人出だった。それでも、数十分歩いて何とか清水寺の入り口に辿りつき、清水寺の「舞台」に立った。

本日の掲句は、その時の情景や印象を詠んだ句であるが、第一句は舞台の眼下に広がる紅葉を見て詠んだ句である。上から、幾重にも重なり合う紅葉を見るのは圧巻で、身体が震え言葉にならなかった。それをどう表現するか、いろいろ迷ったあげく、中七に「紅葉酔いする」という言葉をおいた。

第二句は、清水の舞台を少し離れて見た感じを詠んだ句である。舞台の下は紅葉が雲海のように広がり、まるで舞台がそこに浮かんでいる感じだった。

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清水寺は、京都の東山(音羽山)の中腹にある法相宗(南都六宗の一)系の寺院で、北法相宗大本山を名乗る。広隆寺、鞍馬寺とともに、平安京遷都以前からの歴史をもつ、京都では数少ない寺院の1つである。

また、鹿苑寺(金閣寺)、嵐山などと並ぶ京都市内でも有数の観光地で、季節を問わず多くの参詣者が訪れる。古都京都の文化財としてユネスコ世界遺産にも登録されている。

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本堂は「清水の舞台」とも呼ばれ国宝に指定されている。建物の前半部分は山の斜面にせり出すようにして建てられ、多くの長大なケヤキの柱(139本という)が「舞台」を支えている。こういう構造を「「懸造(かけづくり)」、あるいは「舞台造」と言い、長谷寺、石山寺でも見られるそうだ。

思い切って物事を決断することを「清水の舞台から飛び降りるつもりで」と言うが、清水寺の古文書調査によれば、実際に飛び降りた人が1694年から1864年の間に234件に上り、生存率は85.4パーセントだったとのこと。(簡単には死ねない?)明治5年(1872年)に政府が飛び降り禁止令を出し、柵を張るなど対策を施したことで下火になったそうだ。

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清水寺も俳枕の一つになっており、詠まれた句も多い。その内いくつかを以下に掲載する。

     【清水(寺)の参考句】
      清水の阪のぼり行く日傘かな     (正岡子規)
      清水の舞台に置かれても蜆       (櫂未知子)
      囀に浮きし清水舞台かな          (海老根紫西)
      草餅や清水寺の中の茶屋         (山田栄美代)
      清水の舞台灯すや六斎会        (水茎春雨)
 
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