■ 嵐山の紅葉 二句
○ 紅葉狩る人なみ荒し嵐山
( もみじかる ひとなみあらし あらしやま )
○ 嵐山紅葉の色は未だ粗し
( あらしやま もみじのいろは まだあらし )
そんなこともあり、あと数回は「紅葉」の句を投稿しようと思っているが、特に今日と明日は、連休中に回った紅葉の名所の句を投稿したい。
本日の掲句は、良く知られた「嵐山」の紅葉の句である。両方とも嵐山の「あらし」にかけた句だが、第一句は、市バスで降りた時に見た、渡月橋(とげつきょう)の人波を見て詠んだ句である。
予想していたとはいえ、その人の多さには驚かされた。橋の両側の歩道はぎっしりと人で埋まり、なかなか前に動かない。せっかくだからと橋を渡ったまでは良かったが、僅か150m程の橋を引き返すのに数十分もかかってしまった。
第二句は、橋を渡りながら見た嵐山の山の紅葉を見て詠んだ句である。以前見た時のものとは、印象がちょっと違っていて、木々の色づきがまだ粗いと感じだ。ただ、後で写真で確認すると結構色づいている感じがする。どうも角度によっては多少見え方が違うようだ。
渡月橋を渡った後は、「竹林の道」「常寂光寺」「落柿舎」「亀山公園」などを巡るいつもの散策コースを回った。もう何回も来ているので、特別目新しいものはなかったが、結構旅行気分を楽しむことができた。
嵐山は、京都市街の西に位置し、平安時代に貴族の別荘地となって以来、京都の代表的な観光地となっている。渡月橋は、嵐山の中心部を流れる桂川にかかっており、嵐山の象徴にもなっている。尚、渡月橋をはさんで上流が大堰(おおい)川で、下流から桂川(保津川)というそうだ。
嵐山は、紅葉の名所であるとともに桜の名所でもあり、日本さくら名所100選にも選ばれているとのこと。
嵐山は俳枕ともなっており、沢山の俳人が句を詠んでいるが、その中から何句か選び、以下に掲載した。
六月や峰に雲置く嵐山 (松尾芭蕉)
はな散りて三日月高し嵐山 (松岡青蘿)
早紅葉の松間を走り嵐山 (高浜年尾)
散るのみの紅葉となりぬ嵐山 (日野草城)
焼藷をひそと食べをり嵐山 (波多野爽波)