■ 888黄花コスモスに88
( はちはちはち きばなこすもすに はちはち )
先週の土曜日は、少し気分を変えるために大阪の長居植物園へ初めて行ってきた。入口から入るとまず見えたのが大きな蓮池。蓮の花はほとんど散っていたが、その周りをゆっくり歩くと様々な秋の花に出会えた。本日紹介する黄花コスモスもその一つである。
掲句は、その時の様子を詠んだ句である。蜂の姿が8に似ているので8=蜂として詠んでみた。書いた時の視覚的な効果を目指した試みの句である。黄花コスモスは季語になっていないが、一般のコスモスの関連で秋の季語として使用。
ところで、俳句を作る時の大事なポイントの一つに、声を出して読んだ時のリズムの良さが挙げられるが、文字で書いた時の雰囲気も時に注目される。例えば柔らかさを出すために敢えてひらがなだけにするとか、少し厳めしく漢字だけで詠むとか。
ただ、アラビア数字を画像的に使ったものはさすがに見たことがない。ひょっとしたら、この句は画期的な句ではないかと一瞬自画自賛したが、これが正式に認められることはまずないだろう。取りあえずは、遊びの句として残しておきたい。
因みに、黄花コスモスに関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 仲間よりワイルドが売り黄花コスモス
② 広沢の池しずやかに黄花コスモス
黄花コスモスは、色が濃いオレンジ色でやや派手な感じがし、葉も太くぎざぎざで、全体的に一般のコスモスよりもワイルドな感じがする。そんな印象を詠んだのが①である。丁度この頃「ワイルドだろ~」が流行ってた。②は、京都の広沢の池の岸辺に咲いている黄花コスモスを見て詠んだ句。風もなく池面は穏やかで、黄花コスモスだけが輝いて見えた。
黄花コスモスは、キク科コスモス属の一年草。原産地はメキシコで、日本には大正時代の初めに渡来したとのこと。一般のコスモス(オオハルシャギク)とは同科同属だが別種で、背丈が低く、葉が大きめで切れ込みが粗い。花期の方は、6月から11月と長い。
参考句については、黄花コスモスを特定して詠んだ句は少ないので、一般のコスモスに関するものを掲載した。
さきそめしよりコスモスの大和ぶり (野田別天楼)
コスモスの花あそびをる虚空かな (高浜虚子)
コスモスを離れし蝶に谿深し (水原秋桜子)
豹紋蝶黄のコスモスに群れ飛べり (松崎鉄之介)
コスモスの遠い記憶に停留所 (岡本眸)