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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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顔色をお伺いつつ朝顔展

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■ 顔色をお伺いつつ朝顔展
    ( かおいろを おうかがいつつ あさがおてん )
 
8月初めに京都の植物園に行った時に、丁度「朝顔展」が行われていて少し立ち寄った。展示場は、外に設けられていて、今まで見たことのないような様々な形、色の朝顔が並べてあった。

イメージ 1その一つ一つをじっくり眺めながら詠んだのが本日の掲句である。「顔色を伺う」とは、相手の顔色からご機嫌を伺うことを言うが、朝顔の「顔」にかけて使ってみた。ただ、ここでは、朝顔の花の形や色艶を丁寧に見て回ったという意味になる。

ところで、朝顔は夏の花なのか秋の花なのか、よく問題になるが、子供の頃は当然ながら夏の代表的な花と認識していた。しかし、8月7日前後に立秋を迎え、それ以降、暦の上では秋になるため、俳句では秋の季語となっている。

更に、日本種の朝顔は、7月初め頃から咲き始め8月終り頃には枯れてしまうが、中央アメリカ原産の西洋朝顔などは、8月初めから11月初め位まで咲くので、今や夏の花とは言えなくなってきているようだ。

因みに朝顔については、過去に以下の句を詠んでいる。
 
    【関連句】
     ① 朝顔におはようと声かけし朝
     ② 朝顔やちょっと得した気分にて 
     ③ 朝顔や日記に記す昨日今日

①は、ある悩み事が解消し、すかっと目が覚めた朝、大きく開いた朝顔の花を見て詠んだ句。②は、久しぶりに早起きした時の気分を詠んだもの。「早起きは三文の得」というが、お金は得ずとも何か得した気分になる。③は、朝顔と言えば、夏休みの絵日記。そんなことを思いだしながら詠んだ句。

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朝顔は、ヒルガオ科サツマイモ属の蔓性一年草。中国原産で、平安時代に薬草として渡来したそうだ。花は大きく開いた円錐形で、5枚の花弁が漏斗状に融合している。日没してから約10時間後(朝4時頃)に開花し、昼前には萎んでしまう。

朝顔が観賞用となったのは鎌倉時代以降で、特に江戸時代には繰り返し朝顔ブームが訪れ、葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ「変化朝顔」が創り出された。明治に入ってからは、「大輪朝顔」が持てはやされ、今日の全盛の礎となった。
 
朝顔に詠んだ句は非常に多く、以前本ブログでも有名な句を紹介したが、今回はそれとは違う句をいくつか掲載する。
 
    【朝顔の参考句】
     朝顔やすこしの間にて美しき       (椎本才麿)
     朝顔や濁り初めたる市の空        (杉田久女)
     朝顔やおもひを遂げしごとしぼむ    (日野草城)
     朝顔の紺の彼方の月日かな        (石田波郷)
     朝顔の顔でふりむくブルドッグ       (こしのゆみこ)
 
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