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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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おかめよりおかっぱかぼちゃというべきか

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■ おかめよりおかっぱかぼちゃというべきか
                                            ( おかめより おかっぱかぼちゃと いうべきか )
 
先日、植物園に行った時に面白い南瓜(かぼちゃ)を見た。名前は「おかめ南瓜(かぼちゃ)」。掲句は、それを見た時の印象を表現したものだが、もっぱらその南瓜の紹介のために作った句である。

イメージ 1写真の通り、この南瓜の蔕(へた)側は普通のものと変わらないが、下半分は皮が剥けて、ふくらみが3つから4つある。どうも、このふくらみが「お亀(おかめ)」=「お多福(おたふく)」の頬のふくらみに似ていることから「おかめ南瓜」と命名されたようだ。

しかし、ぱっと見たところでは、「おかめ」というよりも「おかっぱ姉ちゃん」の頭のように見えたので、掲句のように詠んだ。尚、南瓜は、歴とした秋の季語。「南瓜の花」「花南瓜」は夏の季語。

ところで、この南瓜はどのようにしてできたのか。ネットで調べた限りでははっきりしなかったが、食用でなく観賞用として栽培されているとのこと。新潟県長岡市栃尾が主たる産地で、ここでは、「栃尾おかめかぼちゃ全国コンクール」なるものが、かつて開催されていたそうだ。

このコンクールでは、白くつるつるした部分にお亀やひょっとこなどの絵を描きこみ、その出来映えを競う。その概要や作品に興味のある方は、古い記事だが以下をクリックしてご覧いただきたい。
 
       「栃尾おかめかぼちゃ全国コンクール」 ←クリック

また、その他のいくつかの地方では、「ベレー帽かぼちゃ」として出荷されているとのこと。
 
イメージ 2
 
南瓜は、ウリ科カボチャ属の蔓性植物。原産地は南北アメリカ大陸。日本には、16世紀中頃にポルトガル人がカンボジアの産物として伝えたとのこと。そのため、当初「かぼちゃ瓜」と呼ばれ、その後「瓜」が落ちて「かぼちゃ」に転訛したというのが通説。

漢字の「南瓜」は、南蛮渡来の瓜の意味で中国語になっており、そのまま日本でも使用された。別名に「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」などがある。
 
果実は野菜として食用され、カロテン、ビタミン類を多く含む。日本には江戸時代から冬至にカボチャを食べる風習があるが、これはかつて冬に緑黄色野菜が少なく、ビタミンが欠乏しがちであったことに由来するそうだ。
 
    【南瓜の参考句】
      鶺鴒がたたいて見たる南瓜かな     (小林一茶)
*鶺鴒(せきれい)
      どつしりと尻を据えたる南瓜かな     (夏目漱石)
      草高き垣根に太る南瓜かな        (原石鼎)
      目を閉ぢてほほゑむおかめ南瓜かな  (阿波野青畝) 
      子を抱いてかぼちや畑に朝まだき    (星野立子)
 
イメージ 3

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