■ 紫陽花や色落ちぬれば緑なり
( あじさいや いろおちぬれば みどりなり )
8月7日は立秋。あと3日で秋に入る。毎日うだるような暑さなのに、秋なんておかしいと思われるかも知れないが、近辺を見れば夏の花はほとんど途絶え、秋の花が咲き始めている。
ここだけかと思ったら、他の場所で咲いているものも、ほとんどが薄緑色。しかも白色の花を咲かせていた柏葉紫陽花も薄緑色になっている。これまで何で気が付かなかったのだろう。多分、梅雨明け頃から花の色が褪せてきて、紫陽花ももうおしまいだと思い、特に注意して見ることがなかったからだろう。
本日の掲句は、そんな紫陽花の花を見て詠んだ句である。薄い緑色に変色した紫陽花をどう見るか。それは、各人の美意識によるものと思うが、自分には、それなりに新鮮に見えた。中七には「色落ち」という言葉を使ったが、これは、一般には「衣服の染め色が洗濯などにより落ちること」をいう。緑色への変色は、「枯れる」というには早すぎるような気がするので、敢えてこの言葉を使ってみた。
恐らくこの後は、徐々に水気を失ってドライフラワーのようになり、薄茶色に変色していくことだろう。それはそれで、枯紫陽花(かれあじさい)と言い、大変愛でる人もいるそうだ。
以上で本記事を終えても良かったのだが、記事を掲載するにあたって、念のため、何故紫陽花は枯れる前に緑色になるのか調べていくと、「アジサイ葉化病」という言葉に出くわした。
これは、「アジサイの花(がく)全体またはその一部が淡い緑色から濃い緑色の葉っぱのようになる病気」で、ファイトプラズマという微生物によるものだそうだ。でもこれは開花前後に発症するもので、花が終わりかけた時に緑に変色するのは普通の現象だとのこと。
また、「秋色あじさい」という種類の紫陽花があることも分かった。この紫陽花は、初夏には淡いピンク色なのに、夏には緑色になり秋に赤や褐色に変わるそうだ。近辺で見たものがその種のものかどうかは定かでない。
直接紫陽花を栽培した経験がないので、いろいろな関連記事を見ても良く分からないことが多かった。紫陽花の枯れる前の緑化について詳しい方がおられれば、コメント欄で教えていただければ幸いである。
額紫陽花 柏葉紫陽花