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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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花落ちて蓮口ならぶ蓮の池

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■ 花落ちて蓮口ならぶ蓮の池
      ( はなおちて はすぐちならぶ はすのいけ )
 
夏の代表的な花の一つである蓮(はす)も、もう盛りを過ぎたようで、先日行った植物園の蓮池の蓮は、そのほとんどが花弁を落とし、プールの更衣室にあるシャワーのようなものが幾本も並んで立っていた。

イメージ 1上句は、そんな小景をそのまま詠んだ句である。中七で使った「蓮口(はすぐち)」とは、シャワーや如雨露(じょうろ)の水の噴出口(ヘッド)のことで、今回初めて知った。命名した人は、この蓮の果実をよく見知っていだのだろう。尚、「蓮」「蓮池」「蓮の池」は夏の季語だが、「蓮の実」「蓮の実飛ぶ」とすると秋の季語になる。

因みに昨年は、8月の中旬にみた蓮池の様子を以下のように詠んだ。

    関連句: 蓮池は蜂巣ばかりの初秋かな
               (2012/8/20作)

「蜂巣(はちす)」とは、上記した蓮口と同じ部分のことで、蓮の果実(花托)のことを言うが、蜂の巣に良く似ていることから、そう呼ばれるようになったそうだ。また、その「はちす」が転訛して、この植物の名が「はす」になったと言われている。

蓮と言えば、食用としての蓮根(れんこん)を思い浮かべるが、蓮の実も食べられるそうだ。実と言っても本当は種子なのだが、それは、蜂巣状の花托の表面に粒状にでき、熟すとそこから飛び出る。味の方は、少し苦味があるが、カリッとした歯ごたえで、かすかに甘みがあるとのこと。

以下には、特に蓮の池をからめて詠んだ句を幾つか参考まで掲載する。

   【参考句】
      さはさはとはちすをゆする池の亀       (上島鬼貫)
      鯉鮒のこの世の池や蓮の花          (森川許六)
      蓮の花三輪にして池狭し           (正岡子規)
      極楽と思う迄見る蓮の池           (白神隆江)
      蓮池の水昏きまで葉を重ね         (西崎佐知)
 
イメージ 2


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