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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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黄金に染むも鬼百合鬼は鬼

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■ 黄金に染むも鬼百合鬼は鬼
            ( おうごんにそむも おにゆり おにはおに )
 
最近、庭や道端などで鬼百合(おにゆり)をよく見かける。鉄砲百合などは盛りを過ぎたようで、この百合が非常に目立ってきたこの鬼百合の変種に「黄金鬼百合(おうごんおにゆり)」というのがあり、先日行った植物園でその現物を見てきた。名前の通り、形は鬼百合だが、色が赤朱色でなく黄(金)色。

イメージ 1上句は、そんな黄金鬼百合を見て詠んだ句である。鬼百合は、その花の色と斑点が赤鬼を連想させるということで名前がつけられたそうだが、黄(金)色に染まっても、鬼百合の鬼はとれず、やはり鬼百合と呼ばれるんだな、というのが句意である。鬼百合は夏の季語。

ところで、この句は、以前に詠んだ次の句の続きで詠んだものでもある。

 【関連句】
 
  百合なれど鬼と呼ばれる定めとは
                (2011/7/21作)
  鬼百合もピンクを着れば鹿の子百合
                 (2012/8/28作)
 
先の句は、百合は美しい女性を形容する時に使われるが、鬼と言われるなんて何という定め(運命)なのだろうと憐れんで詠んだ句。後の句は、鬼百合もピンク色になれば、鹿の子百合(かのこゆり)という可愛い名前になったのにね、というのが句意。いずれの句も鬼百合の「鬼」にこだわって詠んだ句である。

尚、黄金鬼百合は、鬼百合の変異種で長崎県対馬だけに自生していたそうだが、今は自生しているものは皆無で、愛好家が栽培して楽しんでいるのが現状だとのこと。花期は7月~8月。
 
鬼百合は、句の題材としては面白いと思うのだが、鬼百合を入れた句はあまりなく、かろうじて以下の句をネットで見つけた。

   【参考句】
     亭寂寞薊鬼百合なんど咲く     (夏目漱石)  
*寂寞(じゃくばく)、薊(あざみ)
     鬼百合がしんしんとゆく朝の空   (坪内稔典)
     鬼百合を一輪咲かす五欲かな   (天野きく江)
 
イメージ 2

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